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洋楽 スイス
スラッシュメタル
アーティスト
Coroner
スイスはチューリッヒにおいて84年に結成。結成当時はCELTIC FROSTに後に加入することになるオリヴァー・アンバーグ(g)も在籍していたが、結局メンバーはロン・ロイス(vo/b)、トミー・T・バロン(g)、マルキス・マーキー(ds)の3人に落ち着く
彼らはもともとCELTIC FROSTのローディを行なっていて彼らのデビュー期に出された4曲入りデモ・テープ「DEATH
CULT」にはCELTIC FROSTのヴォーカリスト、トム・G・ウォリアーもゲスト参加し、作曲面にも手を貸していた
そして、86年のチューリッヒでのKREATERとのショウをきっかけにNOISEレーベルのカール・U・ウォルターバッハの目に留まり、契約を得ることに成功
する
フルレンス
アルバム 個人的満足度
| 87年リリースの1STフルレンス
スイスのテクニカルスラッシュバンドCoronerの記念すべき1STアルバムが本作だ。そのサウンドスタイルは様々なバンドの影響がみてとれる個性的なもので、暗黒的空気は同郷の伝説的バンドCeltic
Frost、けたたましいエクストリーム性はVenom(トリオ編成だしね),ヨーロッパならではの叙情味を帯びたメロディはIron
Maiden。
というように各々のバンドの良いところを彼らならではのピンと張り詰めた緊張感のある高い演奏でアグレッシブに表現しているのがポイント。さらには最近のCryptopsyやカオティックハードコア勢に通ずるアバンギャルドかつ変態的な曲展開を見せるのがこのバンドの特徴で、そのことから現代においてこのバンドはもっともっと評価されてしかるべきだ。
ただ、難点をいうなれば若干後ろに引っ込んだボーカル、サウンドプロダクションのお粗末さ、楽曲の弱さで次作以降に劣ってしまうのも事実ではある。
ともあれクラシカルな美フレーズをもつインスト「NOSFERATU」やポップなドライブ感をもつ「SUCIDE COMMAND」、魔性の煌きを見せるタイトルチューンなど聴き所はしっかりあるので1STからかなりのポテンシャルが感じられる作品だ。 |
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「PUNISHMENT FOR DECADENCE」
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★★★★★★★★★★ |
88年リリースの2NDフルレンス。ジャケットにはロダンの彫刻像「Porte
de L'enfer'(地獄の門)」をモチーフとしたスリーヴ・カヴァーを使用
ファンの間で最も人気が高い作品が本作といってしまっても過言ではないだろう。秀逸なジャケットのアートワークも含め、まさに欧州メタルならではのアーティスティックな感性と暗黒性が上手く噛み合った傑作だ。
変態的に侵攻するカオティックな楽曲は美しいフレーズも織り交ぜ、その美と醜というか闇と光のコントラストは彼らの作品中で最も破壊力があるのではないだろうか。闇があるからこそ光が映え、儚いからこそ美しい。
ちなみにラストの「PURPLE HAZE」はジミ・ヘンドリックスのカヴァー。 |
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90年リリースの3RDフルレンス。ミックスにはスコット・バーンズが起用
前作と並んで間違いなくバンドの最高傑作であろう。プロデュースには名手スコット・バーンズが起用されているだけあったお粗末だったサウンドプロダクションが大いに向上している。特に今までは後ろに引っ込み気味だったボーカルラインが前面に出ているのが嬉しい限りだ。
高度なジャズ理論のエッセンスも加えたカオティックかつアヴァンギャルドな展開はスマートに引き締められ、リフが今まで以上に物悲しく、インテレクチュアルといえるほど緻密に練りこまれている。つまりはMegadeth並みの冷涼な空気を伴って聴き手のハートを揺さぶってくるのだ。
ステージ上で生きてる牛を殺そうとするという過激なバンドの性格はデイブ・ムステインの復讐心とリンクする暗黒性があると思う。さらにはその高すぎる演奏力と殺伐としつつも、アーティスティックな美性を帯びたギタープレイはフロリダの伝説デスメタルバンドDeathをも彷彿させる。
Celtic Frostから受け継いだダークサイドから吹き上げるアグレッションと欧州のバンドならではの美旋律のコントラストは恐ろしく#1,#3,#4,#6,#7といったそれの極致とも呼べる曲が並んだ本作は非常にトータルバランスに優れている名盤だ。
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| 91年リリースの4THフルレンス
90年代に入ってからリリース、通算4枚目というバンドの円熟期というだけあって一聴して非常に落ち着いた雰囲気になっている。アングラで怪しく漂っていたダークなムードはえらい後退しているし、前半の曲を聴いた限りでは闇と光がぶつかりあう美しいコントラストをもったクラシカルなメロディはやや陰をひそめてしまっているし、変則的な曲展開もストレートな曲調へとシフトしている。
そのため、傑作であった前作と比べると地味と言うか、渋いというかそのような印象も受けるし、どうも彼らの最大の魅力である狂おしいほどの闇の瘴気が薄まってしまっているのも確かだと思う。
だが、中盤以降はモダンなスタイルのものから今までの美旋律を取り入れた暗黒スラッシュチューンが顔を出すので初期からのファンも大いに安心できるし、この作風は当時は問題作扱いされたとはいえやはりクオリティは高い。
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| 93年リリースの2年ぶりの5枚目のフルレンスにして、彼らのラスト・アルバム。エンジニアには同出身国スイスのインダス・バンド、YOUNG
GODSなども手掛けたヴァコ・フォーパ などもみられるが、セルフプロデュースの作品
暗黒舞踏のようなインストから幕を開ける本作は前作以上にバンドにとっては問題作になるだろう。まずはいわゆるスラッシュメタルっぽくなくなったということ。モダンヘヴィネス的な陰鬱なムードに支配され、リフも今までのキレがあり走っていたものがより重く、沈みこむようなヘヴィネスを強調するものとなっている。
メジャー感が大幅に増し、初期のマニアックで他者を寄せ付けないようなピリピリした空気は薄まってしまってし、カオティックな曲展開なんてものは完全に姿を消してしまっている。
つまるところフツウのヘヴィロックのようになってしまいそれがファンの低評価に繋がってしまったのであろう。曲は悪くはないのだが、テンポが落ちてしまったうえ、曲が長いわりに盛り上がりの少ない展開が多いのでどうも今までの作品と比べると突き抜けに欠けるというのが正直なところである。
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