1 Fury Whip
2 Waste of Tiamat
3 Death is This Communion
4 Khanrad's Wall
5 Turk
6 Headhunter
7 Rumors of War
8 DII
9 Cyclopian Scape
10 Ethereal
11 Return to NOD
プロデューサーにはNirvanaやSoundgardenなどを手掛けたJack
Endioを起用して製作された2007年リリースの4THフルレンス。
ギタリストのMatt Pikeは米Rolling Stone誌において特集された「New
Guitar God TOP20」にレッチリやTool、Radiohead、Mars
Voltaなどのギタリストと並んで選出されるなどきわめてその注目度が高まってきているという話だが、そんなの関係ないな。大体からして彼が並のギタリストでないことはファンならもう周知の事実。なにを今更という感じだ。
そして、相変わらず地獄のようなロックを作らせたら、今この人たちの右に出るものはいまい。
本作からベースがZekeのJeff
Matzにチェンジしている。Zekeといえば私が大好きなハイ・スピード・ロケンローバンドである。曲の短さからハードコアと思われそうだが、いやいや良く聴いて。曲の節々に過去のロケンローレジェンズの遺伝子や遺産が組み込まれた極上のロケンローを我々にプレゼンしてくれていた。残念ながら解散してしまったが...。
特に「Kicked In The Teeth」や「Dirty
Sanchez」はド名盤なので機会があったら是非聴いてみて欲しい。
おっと、少し話が逸れてしまったが本作でも破壊神と称されるドゥームメタルサウンドは健在。そのスタンスに微塵もブレがないことにひたすら頭が下がる思いだ。
新加入のJeff Matzがベースを担当するということで曲のスピードアップが予想されるかもしれないが、やっぱりそんなことはない。初期に比べるとドゥームメタルらしくないといわれている彼らだが、そんなこともういいんじゃない?底なし沼に引きずり込むような重いロック。それでよいではないか。
Jeff Matzがそのベーステクをいかんなく発揮しているのがタイトル・チューンの#3「Death
is This Communion」。Zekeの大ファンである私でさえ、ここまで存在感のあるベースプレイヤーだとは思わなかった。
楽曲は圧倒的なオーラは素晴らしい。#1「Fury Whip」はロックンロール色の強い聴きやすいナンバーだし、#2「Waste
of Tiamat」はメロディのアクセントが良い。
#4「Khanrad's Wall」はインストなのだが、NILEなどを彷彿させるエスニックなメロディが飛び出して驚いた。
#5「Turk」は若干アップテンポのナンバーでリフの切れ味とDes
Kenselの変態ドラミングがやばい。
#6「Headhunter」はドラムソロ。この暗黒舞踏のような圧倒的な呪術力はどこから生まれてくるのだろうか。
続く#7「Rumors of War」はなんと3分もいかない彼らにしては短尺のナンバー。内臓にえぐりこんでくるようなリフが特徴的。
#8「DII」はこれまた4分もいかない彼らにしては短尺のインスト・ナンバー。魔界の門を開くかのごとく情念の揺らめきはNEUROSIS
に近いものがあるか。いや、元々NEUROSIS に通ずるカルマを持ったバンドなんだけど。
#9「Cyclopian Scape 」はアコギをフィーチュアしたイントロから始まる皆様お待ちかねの7分を越えるドゥーム・ナンバー。
#10「Ethereal」はまたしても長尺曲。またしてもエスニックなメロディが聴ける。
#11「Return to NOD」はギターソロがクール。何気にパンキッシュな性急感がある。
3曲あるインスト・ナンバーはアルバムのインタールードだそうで、BLACK
SABATHの「Sabotage」のような変わった雰囲気のものを入れたかったそうだ。エモーショナルなものにしたかったというMatt
Pikeの言葉通り、アルバムの良い見せ場になっているのではないだろうか。
また、エスニック風の曲には12弦ギターやアフガニスタンやトルコの楽器であるタンブールが使われていることにも注目したい。
Steve Albini の手から離れたせいかまたしてもドゥーム色がさらに減退。
さらには、地獄の焔に身を焦がすが如き、魔界暗黒闘気の減少はコアメタラーからすると前作以上に普通のロックンロールバンドになっちゃったと嘆くかもしれない。
また、前作の#2「THE
FACE OF OBLIVION 」クラスのキラーチューンがないという突き抜けの無さから前作と比較すると劣るという意見もありそうだが、聴きやすさから言えばこちらの方が上なので個人的にはこのアルバムもかなり好きである。
全体的にロックンロール本来のわかりやすい暴虐性や抑揚のあるエンターテイメント性溢れる作りは賛否両論だろうが、やはり、ここまで威圧感のあるバンドは中々無いし、結局はHIGH
ON FIREはHIGH ON FIREでしかない。
そもそも彼らはSLEEPのダウナーな失速エクストリーム性の追及などもはや頭に無く、ラウド&へヴィ、ブルータルなロケンローを体現することに意味を見出しているのだから、何度も言うようにストーナー/スラッジ色がどうのこうのなど今更どうでもいいじゃないか。
この作品を作るに当たって一番の影響はメタルではなかったと、Matt Pikeは語る。また同時に、すごくへヴィなメタル・アルバムになることもわかっていたという。
こういうところがまた彼ららしいし、Matt Pikeが好漢と呼ばれるのも納得の傑作に仕上がっている。
破壊神の斧はまだ振り上げられたままだであり、私は支持するに値する作品だと思う。
MYSPACE MUSIC
2007.10.8
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