| TURISASはウォーロード・ナイガルド(Vo)とユッシ・ヴィックストロム(Gu&Ba)によって1997年に結成。彼等の地元はフィンランドの戦いの神にちなんで名づけられたという小さな町で少し南に位置するハメーンリンナ。彼等の最初の音源は1998年に作られた「Taiston
Tie(The Battle Path)」だったが、そのサウンド・クオリティの悪さからリリースされることはなかったようだ。
2000年に入り、バンドはデモCD「HEART OF TURISAS」をレコーディングしつつ、ライブを数々こなし、ファンやレーベルの関心を引いていく。
そして、2003年にCENTURY MEDIAがワールドワイドの契約を結び、バンドは記念すべき1STアルバムへの制作へと取り掛かる。同年12月、フランスのSOUND
SUITE STUDIOSで本作「BATTLE METAL」のレコーディングをスタートさせ、プロデューサーにはTRISTANIAやENSLAVEDを手がけたテリエ・レフスネスを起用している。
ヴォーカルやコーラスの他にも楽曲を彩る楽器、バグパイプ、アコースティック、パーカッションはフィンランドのSTEEL
TRACK STUDIOでレコーディングされ、2004年の春に全ての作業をSOUND SUITE STUDIOSで完成させた。
いくつもの猛者を抱えるヴァイキング・メタル・シーンに彗星の如く現れた大型ルーキー、TURISASの2004年リリースの1STフルが本作だが、いやーこいつら何なの、ほんとに。良識ある方々(ひたすら整合性と様式美を重んじるメタル・サイド)には失笑を買うであろうメンバーのヴァイキングの戦闘装束からジャケ・アート。歌詞は読まんでも戦いと漢について歌っているのは想像に難くないし、とにかくもう真性のヴァカ・メタル。
その音楽性はホーンセクション、ストリングス、クワイア、ヴァイオリン、アコーディオンなどのオーケストラルな武器(楽器)を駆使したいわゆるシンフォニック・メタルと呼ばれるものか。いや、シンフォニックと呼べるほど高尚な連中ではないが(笑)。そこがこのバンドの最大の魅力である。
さらには大仰という言葉には括れそうも無い馬鹿馬鹿しい合唱コーラスをフィーチュアし、基本ミドル・テンポでガツガツと攻め立てる。そういった志向から「ヴァイキングなMANOWAR、もしくはRHAPSODY」という形容も出来そうな孤高の世界観を形成しているのはなんとも圧巻だ。
ヴォーカルはブラック・メタル系一歩手前のダミ声だが、エクストリーム性を押し出すと言うよりはあくまで感情が先走りすぎてそうなっているだけ。咆哮は自らを鼓舞し、合唱は戦士達を一体化する術か。
また、シンフォニックなアプローチにそれとなく刻まれるのがシンプルなリフであり、士気を高めるが如きバトル・ドラミング。ぶっちゃけ言ってしまえばオーバー・プロデュースなことこの上ないし、涙腺を刺激する泣きメロがかけるとかいう器用なバンドではない。
さらにメンバーのルックスからキワモノとして扱われてしまいそうなバンドだが、いやいや、この戦士達何気にコンポーズ・センスに優れてやがんの。「こいつら...」なんて心底呆れつつ、「バトルッメトゥ!!バトルッメトゥ!!」、「ライララーィ♪」とかシンガロングしている自分がいるのに気づく。
実はそんなに歌メロがキャッチーだったりするタイプではないのだが、ひたすら漢の本能に訴えかけてくるというか。とにかく雰囲気もの一歩手前ながらも楽曲に正座して真正面から向かわなければならない魅力を秘めた連中だと思う。楽曲の品質以上に奴らの世界観にぐいぐい引き込まれる妙な中毒性ありだ。
個々の楽曲を取り上げるのも馬鹿馬鹿しくなるが、もうどんな曲かは曲名から嫌と言うほどわかる3.
Battle Metal、アルバム中屈指のシンフォニック・ナンバー4.
The Land Of Hope And Glory(別名ライラーイ♪)、漢汁したたる5.
The Messenger、8. Among Ancestorsといった楽曲も破壊力あり。また、コンパクトな9.
Sahti Waariも侮れない。ほとんどインストと化しているのが惜しいくらいだ。
そして、思わず肩を組んで合唱したくなる名曲7. Midnight
Sunriseが君臨。アルバム後半に行けば逝くほど、雄度、馬鹿度、ガイキチ度が加速していくのにはもう御免なさい、堪忍してと言ってひれ伏すしかない有無を言わさぬ説得力に溢れていて激ファンタスティックだ。
真摯なまでのバトル性がFFやロマサガなどのゲーム・ミュージックに通ずるというのも納得。明らかに常人とは違うベクトルと「武士道は死ぬことと見つけたり」=「ヴァイキングは闘って死なないとヴァルハラに逝けない」というストイズムに惹かれる方は買って損は無い血作でしょう。あと、フォーク・メタル好きにもお薦めできそうだ。
ていうかもしかしたらOiパンク好きにもお薦めできんじゃね(笑)。
まあ細かいことはもうどうでもいいだろう。この文を読んで不覚にも闘争心に火が付いてしまったヴァイキング達よ、武器(本作)を取れ!!
2007.12.14
|