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洋楽 ドイツ アーティスト

メタルコア

 

 Maroon

myspace

 

 

     アルバム             個人的満足度               

ANTAGONIST (2002)

 

[収録曲]
1 Tempest 1
2 The Beginning of the End
3 An End Like This
4 Shadow of the Vengeance
5 Tempest 2
6 Drowning
7 Still Believe in What Has Fallen Apart
8 Beneath the Ashes
9 Stillborn
10 What Remains
11 Declaration



[個人的満足度]
  ★★★★★★★★★★


 98年初頭、MAROONはドイツのNordhausenにて結成。
 99年にデモ「THE INITIATE」を制作し、翌00年の春には1st MCD「CAPTIVE IN THE ROOM OF THE CONSPIRATOR」をリリース。同年に行われたヨーロッパ・ツアーではEARTH CRISIS、MORNING AGAINとステージを共にし、01年にはABSIDIAとのスプリットEP、SELF CONQUESTとのスプリットCDをそれぞれリリース。その後はHEAVEN SHALL BURNCALIBANMADBALLとのツアーをこなし、02年には遂に1stアルバム「ANTAGONIST」をアメリカのCATALYST RECORDSよりリリースする。この1stアルバムはCATALYST RECORDSベストセラー・レコードとなり、南米ツアー、ヨーロッパでヘッドライニング・ツアーを行う。

 今では思いっきりメタルに傾倒したサウンドを鳴らしている彼らではあるが、この頃はEARTH CRISISMORNING AGAINDESPAIRなどのUSニュースクール・ハードコアの影響が色濃い、メタリックではあれどほぼハードコアと呼んで差し支えのないものだった。
 そして、彼らはポリティカルなメッセージ性とオルタナティヴ・ライフスタイルの提案等を歌詞に込めたヴィーガン・ストレートエッジの信念を持っていることにも注目するべきポイントだろう。まあその辺りがどうやら偏屈メタル・サイドには気に入らない部分らしく叩かれることが多いのだが。
 まず始めにパンク/ハードコアはメッセージ性だけの音楽だけではないことをはっきりと言って置く。「パンクはメッセージ性だけ」なんて思っている馬鹿が実際に多いのだ、この世界。パンクが音楽的に優れているということを踏まえても、メッセージ性というものは重要だ。何かを伝えたいからこそ人は行動を起こせる、成長できる、強くなれる。私はヴィーガンではないが、彼らの鬼気迫る言葉の力。それを尊敬してやまないのだ。
 さて、現在ではメタルコアの一言で片付けられてしまう彼らの音楽性ではあるが、本作で見せているのは前述したとおり紛れも無いハードコア。終始ミドル・テンポでガツガツと刻まれる鉈のような殺傷力を持つリフは同時にメロディアスでメランコリック。コンパクトな楽曲はアルバム一枚があっという間に終わる潔さ。
 そして、特筆すべきは修羅の形相で毒を吐きまくるヴォーカルだろう。デス・ボイスではなく、ある程度歌詞が聞き取れる絶叫。時にはクリーンに歌い上げ、その姿はさながら演説する政治家のようだ。
 確かに音楽性自体はありきたりのニュースクールで面白みや新鮮味は希薄だろうし、楽曲の品質だけ言えば並みのレベルだろう。しかし、ロックとはメロディの良さやバラードがあったりなどのバリエーションの広さ、産業性や品質性だけで成り立っていいものだろうか。思い出せ、何故昔ロックが良識ある人々から嫌われたのかを。思い出せ、ロックは元々イロモノであったということを。
 本来、ロックとはスタジオ・アルバムだけではなく、ライヴやアティトゥード、アートワークからメッセージまでをトータルで見て楽しむものであって単なる曲の良さだけに片付けられる大衆音楽に反抗するものがロックであったはずだ。
ロックは気品溢れるだけのクラシックではない、質が高くて売れればいいだけのポップスでもない。だからこそ私はロックを特別なものとしてずっと愛し続けてきたのだ。そんな私が彼らを「整合感が足りない」などと間抜け面さらしてほざく頭の固いオタクと一緒に笑うことなんて出来るはずもない。彼らみたいな存在はあっていいのだ。どこにでも光と影があるように....。

 2008.2.8

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ENDORSED BY HATE (2003)

 

[収録曲]
1. Catharsis [Instrumental]
2. World's Havoc
3. Endorsed by Hate
4. Watch It All Come Down
5. Without a Face
6. At the Gates of Demise
7. Chosen Fate
8. Omega Suite [Instrumental]
9. Human Waste
10. Suffer or Endure
11. Goetterdaemmerung
12. Shadow of the Vengeance [Live][*][Multimedia Track]
13. Still Believe in What Has Fallen Apart [Live][*][Multimedia Track]



[個人的満足度]
  ★★★★★★★★★★


 03年、本国ドイツのALVERAN RECORDSと契約し、2ndアルバム「ENDORSED BY HATE」と1stアルバム「ANTAGONIST」の再発盤を同時にリリースする。「ENDORSED BY HATE」はTue Madsen(THE HAUNTED、MNEMIC)をプロデューサーに迎え制作された。

 ジャーマン・ヴィーガン・ストレート・エッジバンドの2枚目のフルレンスが本作。基本的な音楽性は前作の延長線上なのだが、リフからメロメロしさが抜けて、メロディック・パートも少なくなった。
 それゆえ欧州バンド独特のモイスチュアなメランコリアが減少し、モッシュ・パートの強調とブルータル・リフの剛力さが上昇。いわゆるHATEBLEEDなどUSヘイトコア系、もしくはMAメタルに近づいた印象を受ける。ヴィーガンでありながら、肉食な獰猛性が強まったと言うべきか。
 ただ、まだまだ完全な個性を確立したとは言い難い。北欧メロデス直系のメタルコアが大好きな諸兄には愛想が足りない作風だろうし、基本ミドル・テンポなので少々かったるい。ぶっちゃけてしまえばやはり曲質が微妙という感想に落ち着いてしまうのが難点だ。
 それらに加えてTue Madsenの音作りは暴力性に欠けていて、丸っこくヤワイのが気になる。整合感を最大の売りにするバンドじゃないんだから、すっきりとまとめようとするのは間違ってると思うんだけどな。
 そんなわけで前作に引き続き若気の至り的なイメージの強い作品になってしまったのは否定しようがない。それでもこの頃の彼らのやっていることを否定してはならない。次作からメタルに思いっきり傾倒するので、メロデスに近づいたから好きになりました」なんていけしゃあしゃあと語っても別に私は構わないと思うし、メタル・サイドは次のアルバム以降にだけ手を出せば十分なのかもしれない。
 それでも過去なくして現在は成り立たぬ。次作以降で確立するメタルの破壊力とハードコアの突進力の絶妙な塩梅はこの頃の試行錯誤によって生まれたことは間違いないはずなのだから。

 2008.2.13

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WHEN WORLDS COLLIDE (2006)

 When Worlds Collide

 

[収録曲]
1. 24 Hourhate
2. And If I Lose, Welcome Annihilation
3. Sirius [Instrumental]
4. Wake Up in Hell
5. Annular Eclipse
6. Arcturus [Instrumental]
7. Confessions of the Heretic
8. There Is Something You Will Never Erase
9. Omega Suite, Pt. 2 [Instrumental]
10. Sword and Bullet
11. Vermin
12. Koo She [Instrumental]
13. Below Existence



[個人的満足度]
  ★★★★★★★★★★


 06年、CENTURY MEDIA RECORDSとのディールを獲得し、3rdアルバム「WHEN WORLDS COLLIDE」発売前に待望の初来日を果たす。なお、「WHEN WORLDS COLLIDE」はJacob Hansen (MERCENARY、FEAR MY THOUGHTS) プロデュースで制作された。

 初期は単なるEARTH CRISISフォロワーとしてしか見られていなかった彼ら。だが、本作からはIRON MAIDENに通ずるツイン・リードを大きくフィーチュアし、よりメタル然とした整合感をアップさせた為、メタル・サイドに大きく認められるようになった。
 元々備わっていたゴシカルなメロディ・センスを磨きつつ、ハードコアの突進力をビルド・アップ。メタル化したと同時にメタルのへヴィネスに呑まれがちだったハードコアの高熱のテンションと徹底的に鍛え上げられたビチビチに盛り上がる音の筋力がまず素晴らしい。そう、メタルになったから良いのではなく、初期のブルータリティを損なうことなく、メジャー感のアップとがっちり噛み合うことでこちらの耳へ訴えかける伝達力に優れているのがポイント。
 そして、なんと「Annular Eclipse」ではなんとクリーン・パートが存在。これで彼らもありきたりのメタルコアに仲間入り...なんていう意地悪な物言いも出来なくはないが、純粋に品質性の高まりを喜ぶべきなのだろう。クリーン・ヴォーカル担当はいわゆるメタル的なハイ・トーンなのでメタラーの方は微笑ましく思うのではないだろうか。
 ただ、なんていうか化けのアルバムには違いない力作だとは思うのだが、これといった決定打の無さがなんとも煮え切らない。彼等にそんなものなど求めていないが歌モノとしての機能性なら同郷のCALIBANに遅れをとっている感じがするし、問答無用のブルータリティに至っては本場ニューヨークのヘイトコア勢の孤高性に劣っていて、小奇麗過ぎる印象を受けるのだ。
 あれより良い、あれより悪いと比較論をぶちまけたいわけでもないのだが、どうしても心の底で比べてしまってなんともこじんまりとした突き抜けの無さがあるんだよね。
 そんなわけでキラー・チューンこそ不在だが、楽曲のクオリティは総じて高めなのでMAメタルが好きな方は手を出して損はないのではないだろうか。

 2008.214

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THE COLD HEART OF THE SUN (2007)

 The Cold Heart of the Sun

 

[収録曲]
1.[Reach] The Sun
2.Only The Sleeper Left The World
3.Steelbath Your Heart
4.My Funeral Song
5.Black Halo!
6.The Cold Heart Of The Sun
7.For Those Unseen
8.As Truth Becomes Vain
9.The Iron Council
10.Fear The Most Them Who Protect
11.Some Goodbyes Are Farewells
12.Maschinerie(日本盤ボーナストラック)



[個人的満足度]
  ★★★★★★★★★★


 3rdアルバム「WHEN WORLDS COLLIDE」をリリースした後、KORN、OBIRUARYSTRAPPING YOUNG LADARCH ENEMYTHE BLACK DAHLIA MURDERなど、様々なビッグ・ネームとのツアー、ライヴを重ね、ROCK HARD、WITH FULL FORCE、WACKEN、SUMMER BREEZEのような著名なフェスティヴァルにはほとんど出演を果たす。
 そして07年、止まることを知らないMAROONは、ほとんどオフの期間を作らず、本作「THE COLD HEART OF THE SUN」のための作業を開始する。レコーディングは、前作と同様Jacob Hansenのスタジオと、HEAVEN SHALL BURNのギタリストでもあり、NEAERAやNARZISSのプロデュースも手がけたAlexander DietsのRape Of Harmonyスタジオにて行われた。なお、アートワークを担当したのはMAROONのオリジナル・ギタリストのMarc Zech。

 CALIBANHEAVEN SHALL BURNらと共にジャーマン・メタルコア三羽烏に君臨するMAROONの2007年リリースの4THフルレンスが本作。正直に言えば今までの彼らに対しては崇高なるメッセージ性と羅刹の如き高熱のテンションは高く買っていたものの、楽曲の方は....っていうイメージを持っていたのだが、いやいや、このアルバム、曲の方もまことに素晴らしいじゃないか。
 基本的な作風は前作の延長線上なのだが、いわゆるメロデス・メタリックな感性を大きくフィーチュア。歌モノに傾倒したわけではないのだが、楽曲の洗練性と誤解を恐れずに言えばポップな機能性を大胆に押し出し、例えばリーダートラックの名曲「[Reach] The Sun」はそれらの要素が上手く消化された待ってましたなキラーチューンだ。
 続く「Only The Sleeper Left The World」のドラマティクスの中に吹き荒れる暴力性といい、序盤の流れはキャッチーで秀逸。このキャッチーという部分が重要で、彼らの作る曲って良くも悪くも耳に残らないものが多かったのだが、産業チックになったと言われようともこのがっちりくる楽曲のフックの上昇は個人的には大歓迎。
 ただ、嫌味でも何でもなくメロデス・ファンにも愛想がいいのは序盤だけで、中盤以降は前作を彷彿させるMAメタル色が強くなり、ミドル・テンポ中心に攻め立てるモッシー・コア。これまた耳に残りにくい楽曲が連なっているのが残念と言えば残念か。
 それでも前作で不満だったソフトで丸く、暴力性に欠けた音作りからブルータルで野生の牙むき出しな凶暴性を押し出した音作りへとシフトしているのは好感触。これはAlexander Dietsの仕事振りを評価すべきだろう。
 それに加えて愛想の足りないと思われる中盤以降の楽曲も「これはこれでいい」、「これがハードコア・スピリッツだ」と有無を言わさぬ説得力に満ちているのが良い。1ST以上の憤怒の形相で喉元に噛み付くヴォーカルのかっこよさも前作以上の破壊力を持って示しているのでその辺りから高評価を付けさせて頂いた。
 整合感よりもメッセージを伝えることに重点を置いているなんていう某紙の馬鹿げたレビューをまにうけるくらいだったら、せめて視聴してから買うか買わないか決めて欲しい。大体からしてメッセージを伝えることに重点をおいてはいけないなんていうルールがロックにあっただろうか。否、絶対ありえない。そういった考えがメタルどころか、ロックをつまらないオタクの音楽へと堕としてしまう原因になりかねない。日本にメタルが根付かず、市民権を得なかったのは結局はそういうことなのだろう。
 何はともあれ前作以上に最高傑作と呼ばれておかしくない力作だし、ジャーマン・メタルコア・ファンは是非チェックしてみて欲しい。
 おっと、忘れるところだったが、ジャケ・アートにも触れておこう。前作のアートワークも中々良かったが、本作も秀逸。「俺の屍を越えていけ」と言わんばかりのハードコアなストイックさとデカダンスなムードはまことにファンタスティックだ。

 2008.2.15

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