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洋楽 イタリア

メロディック・デスメタル

アーティスト

 Destrage

Myspace

 

 イタリアはミラン出身。バンドの中心人物のマッテオ・ディ・ジョイア(Gu)とパオロ・コラヴォルペ(Vo)]が2005年の春にバンドを結成する。バンドはALPHA OMEGA STUDIOで1stデモ「CODE TO EMPTINESS」を制作。そして地元イタリアでライヴ活動を行っていた。

 その後何回かのラインナップ・チェンジを経て2006年に入り、2ndデモとなる「Self ID Generator」を制作。このデモは今作のプロデューサーでもあるDISARMONIA MUNDIの中心人物でもありエットレ・リゴッティの指揮のもと作られた。

 しかし2007年に入り、ライヴのみのメンバーであったマルコ・タフリ(Gu)、ファビオ・ヴィニャーティ(Dr)、マッシモ・ライネリ(Ba)が脱退し、同じミラノのバンドTHROUGH YOUR SILENCEに専念するために脱退する。

 そこで加入したのが現在のラルフ・サラティ(Gu)、フェデリコ・ポーロヴィッチ(Dr)、ガブリエル・ピニャータ(Ba)だった。

 このデモに真っ先に注目したHOWLING BULLが、海外に先駆けて契約を交わし2007年、本格的にDESTRAGEとして1stフル・アルバムのレコーディングに突入。先述の通り、エットレ・リゴッティによってプロデュースされた10曲入りのデビュー・アルバムを製作する。1stアルバムは世界に先駆けて10月に日本先行発売された。

 

フルレンス

     アルバム             個人的満足度               

URBAN BEING (2007)

 アーバン・ビーイング

 

01 Trash For Sale/トラッシュ・フォー・セール
02 Art For Free/アート・フォー・フリー
03 Self ID Generator/セルフ・ID・ジェネレイター
04 The H Factor/ザ・H・ファクター
05 Jocker The Fast/ジョッカー・ザ・ファスト
06 Infinite Dump System Circle/インフィニット・ダンプ・システム・サークル
07 Beauty Clown/ビューティー・クラウン
08 Digital Abuse/デジタル・アビューズ
09 Very important Pointless/ヴェリー・インポータント・ポイントレス
10 Urban Being/アーバン・ビーイング
11 Again/アゲイン
(日本盤ボーナス・トラック)

個人的満足度
 ★★★★★★★★★
 DISARMONIA MUNDIの中心人物であるエットレ・リゴッティが手掛けるエットレ・ワークス第2弾バンド。イタリアはミラン出身の5人組、Destrageの1stフルレンスがこの度、日本で先行発売となったわけだが、ああ、なるほど。確かに高品質だわ。
 その音楽性はもう聴かなくてもおわかりであろう。ぶっちゃけSOILWORKのフォロワーです。後追いならではの練りに練られた品質の良さと抜群の安定感。楽曲の即効性と破壊力だけだったらこの前出たSOILWORKの新作より断然良かったりするからまたタチの悪い新人が出てきたものだ。
 帯にはサイバー・デス/スラッシュ・メタルとあるし、泣きのメロディにもはや脱帽とあるが、実はこのバンド、メロデスというよりはいわゆるアメリカ的なラウド・ロックに近い雰囲気を持っているのが特徴的だ。そもそもメロディ・センスに優れているバンドって訳でもないので、例えばARCH ENEMYのような超絶の泣きを期待して購入すると肩透かしを食らうかもしれない。
 なんでもメンバーは北欧メロデスの激しさと深さ、アメリカのメタルコアの抜群のキャッチーさに魅力を感じているらしく、そこに自分達の要素を取り入れることを目標にしているそうだ。
 そのいかにも現代キッズ的な考え方はAVENGED SEVENFOLDと通ずるものがあるし、あまりのミクスチュアぶりからSLIPKNOTの1STに近いという意見も確かに頷ける。とにかくイマドキのロックに仕上がっていて、ある意味叩かれやすい音楽性かもしれないが、文句をつけようにも音作りを含めて隙がないのだ。
 メロディ・センスはそれほどでもないと前述したが、ならばこのバンドの魅力とは何か。なんといってもこのバンド、"速い"のが良い。滅多にテンポ・ダウンせず、ストレートにアグレッションを叩きつける様は若々しく、生き生きとしていて、何よりもスピード狂の私好み(笑)。
 もちろん、走りっぱなしという訳ではなく、時折テンポを落とすのはメタルコア勢からの影響だろうし、軽くなりすぎない程度にへヴィネスは保たれているので決してヤワな感じはしない。
 ヴォーカルはまさにビョーン・タイプの吐き捨てデス・ボイス型で若手とは思えないほど貫禄はある。クリーン・ヴォーカルの方もそれなりに技量は高く、穴が少ないねえ、このバンド。
 また、何度も言うが、メロディ・センスはともかくリフ・センスには光るものが感じられる。リーダー・トラックの01 Trash For Saleを筆頭に、スラッシーにザクザクと高速に刻みまくり、しかも、キャッチーでわかりやすい。もしかしたらリフが命のリフ・バンドなのかもしれないな。
 そして、この手の量産型新人バンドらしく楽曲はやはり高品質。前述した01 Trash For Saleはもちろん、DISARMONIA MUNDI節とも言うべきメロにまどろむ04 The H Factor、インダストリアル風味とスラッシーなリフが高速螺旋し、途中のテンポ・ダウンがなんともいえない無慈悲さを演出する08 Digital Abuseが特にお気に入り。
 また、これぞサイバー・デスラッシュな02 Art For Free03 Self ID Generator07 Beauty Clownといった楽曲や独特の歌メロをもつ09 Very important Pointlessなんかも面白いし、タイトル・チューン10 Urban Beingも劇的展開を含み、聴き応えありだ。
 ただ、捨て曲らしきものはないが、強烈な突き抜けに欠けるといった印象もあって、ソツがなさ過ぎるというのが若干気になる。まあまだ若いし、次作でその辺りのことは改善してくれるだろう。次作でこけないことをただ祈るばかりである。
 何はともあれ慟哭のメロにむせび泣くタイプのメロデスではないので、一言で言えば若干アメリカナイズされたDISARMONIA MUNDIと言うべきか。この形容にピンときた方は買って損はないかもしれない。
 あと、ジャケ・アートがいまいち何を狙っているのかわからなかったが、どうやら10 Urban Beingの歌詞世界のようだ。そうそう、このバンド、かなり歌詞が意味深。ポリティカルというよりはどこか日常的かつ哲学的なスパイスが効いたアグレッシヴなメッセージは中々読み応えがあるので、是非一読してみることをお薦めする。
 総合的に見れば現代に溢れかえったものの美味しい所取りとはいえ、美味しいことは良いことだし、実際問題良いものは良いんだからしょうがない。
 ちなみに、国内盤ボーナス・トラックの11 Againは2006年リリースの2NDデモ、「Self Id Generator」に収録されていたものを再録。うーん、これも良く出来ているもんだからやっぱりタチが悪いわ。

 2007.11.27

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