洋楽 スウェーデン
メロディック・デスメタル
アーティスト
At The Gates
Myspace
公式ホームページ
AT THE GATES はスウェーデンはゴッセンバーグで90年に結成。メンバーはトーマス・リンドバーグ(vo)
、 アンダース・ビューラー(g) と ヨナス・ビューラー(b) の ビューラー兄弟、そして アルフ・スヴェンソン(g) 、 エイドリアン・アーランドソン(ds)。
彼らは91年にENTOMBEDなどの仕事で知られていたトマス・スコッグバーグ
をプロデューサーとして起用し、デビューシングル 「GARDEN OF GRIEF」 をリリース。これをきっかけにして多くのバンドとツアーを組み、確実に知名度を高めていった彼らは、英国のインディーレーベル
Peaceville とディールを結ぶことに成功する。
そして、新たにバイオリン奏者イエスパー・ヤロルドを迎え、92年に1STフルレンスである[THE RED IN THE SKY IS
OURS]をリリースすることになる。
フルレンス
| THE RED IN THE SKY IS OURS (1992)
Red in the Sky Is Ours

[収録曲]
1.THE RED IN THE SKY/THE SEASON TO COME
2.KINGDOM GONE
3.THROUGH GARDENS OF GRIEF
4.WITH IN
5.WINDOWS
6.CLAUSE OF LAUGHTER DEAD
7.NEVERWHERE
8.THE SCAR
9.NIGHT COMES,BLACK BLOOD
10.CITY OF SCREAMING STATURES
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[個人的満足度]
★★★★★★★★★★
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メタルコアやメロデス勢に与えた影響は絶大であるとして近年、評価が高まりつつある(ていうか高まりすぎ)偉大なバンドAt
The Gatesの荒々しい原点が本作。この頃はバイオリンを取り入れたメロデスというスタイルがユニークだとして熱心なファンの評価も高いようだ。
基本的な音楽性はスラッシュメタル風味の強いデスメタル。いわゆるデスラッシュというやつなのだが、この頃の彼らはザクザクしたリフの走りよりも、にじみ出るメロディの哀愁度を強調している為、明らかにドライでブルータルな米国産デスとは一線を画している。この溢れ出す豊潤なメロディは当時のリスナーからするとかなり新鮮だったに違いない。
また、随所で見られるバイオリンを使ったアレンジは確かにユニークで、例えば「WITH
IN」のクライマックスなどで顔を出す物悲しい旋律は独特の個性を醸し出していると言えよう。
面白いのがデスヴォイスの名手として名高いトーマスのヴォーカルがわりと普通なグロウルだということ。最近の彼のようにヒステリックに泣き叫ぶタイプではなく、どちらかというと重みと濁りを強調した歌唱を見せているのが特徴的である。
そんなわけでひたすら連射される慟哭の旋律に心動かされそうになる部分はあるのだが、ぶっちゃけて言ってしまうとこのアルバム、曲質が微妙。ちょっといいなと思ったメロディやフレーズはあったものの、楽曲全体に上手く機能しているとは言い難いし、強力なキラーチューンもやっぱり不在。ペラペラな音作りもあってかもう一押し足りない煮え切らなさばかり感じてしまうのだ。
しかも、バイオリンが売りなわりには意外に出てこないんですよ、ええ。真面目に出番少ないので本当に正式メンバーなの?と疑ってしまう感じ。これなら正直バイオリンはゲスト参加でもよかったのでは?なんて思っていたら案の定すぐ脱退(笑)。まあイエスパーの脱退は後の名盤[SLAUGHTER
OF THE SOUL]を生み出す為に必要なことだったのだろう。とか言いつつ3RDアルバムでヴァイオリンが復活するんだけど(笑)。
本作は熱心なメロデス・ファンには初期の名盤として名高いようだが、冷静に評価するとそれなりに良く出来たB級品といった印象。間違っても[SLAUGHTER
OF THE SOUL]ほどのクオリティを求めないように注意されたし。まあ彼らの入門用には決して薦めはしないが、彼らの原点を知りたいという熱心なファンは手にとってみる価値はあるかもしれない。
2008.3.2 |
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| WITH FEAR I KISS THE BURNING DARKNESS
(1993)
With Fear I Kiss the Burning Darkness

[収録曲]
1.BEYOND GOOD AND EVIL
2.RAPED BY THE LIGHT OF THE CHRIST
3.THE BREAK OF AUTUMN
4.NON-DIVING
5.PRIMAL BREATH
6.STAR DRAWNED
7.BLOOD OF THE SUNSETS
8.THE BURNING DARKNESS
9.EVER(OPENING FLOWER)
10.THROUGH THE RED
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[個人的満足度]
★★★★★★★★★★ |
バイオリン奏者のイエスパーが脱退した後に製作され、93年にリリースされた2NDフルレンス。
尚、本作リリース後にギタリストのアルフが脱退、後任にはマーティン・ラーソンを迎えている。
実はあんまり目立っていなかったバイオリン奏者イエスパーが脱退したせいか、方向性に変化が見られる作品だ。
まず、一聴して気付くのが普遍的なデスメタルへとそのスタイルを傾倒していること。もちろん、イエテボリーなメロ使いが無くなったわけではないのだが、楽曲のテンポ・アップ、リフはメロメロしさに頼り過ぎない暴虐性をアピールし、硬質化。前作以上にブラスト・ビートが多用され、ブルータルな味わいを強めた仕上がりになっている。
さらにトーマスのヴォーカルも凶暴度がアップ。重濁を意識したグロウルから近年のヒステリックに泣き叫ぶスタイルへとシフトしており、目が合えば噛みつかれそうな勢いを持って聴き手の耳元に迫ってくるから圧巻だ。
また、「RAPED BY THE LIGHT OF THE CHRIST」などにはアコースティック・パートも搭載し、木枯らし吹き、雪がしっとりと舞い落ちる情景が思い浮かぶような哀愁度がアップ。緩急と静と動を生かした楽曲は、テクニカルでありながらもわりと淡白だった前作の楽曲からすると幅と深みを増しており、バンドの着実なレベルアップがみてとれる。
サウンド・プロダクションも向上したせいか、デスメタルとしての破壊力と体力をビルドアップしつつ、スケールアップした世界観から繰り出される慟哭の調べにノックアウトされるメロデス愛好家も多いことだろう。
ただ、強力なキラーチューンが相変わらず無かったり、地味でそつのなさばかりが先行している感もある為、言っちゃあ悪いが前作と同様に輸入盤を熱心に漁るマニア向けのB級品という結論に落ち着いてしまうのが難点。良盤にもう一歩といったところなのがなんとも惜しいのである。
まあメロディだけに耳を傾けてみれば中々ゾクゾクするものがあり、楽曲全体としては弱いものの、素材が優れているのは事実であると思うので、熱心なファンは手を出してみてはいかがだろうか。
2008.3.3
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| Terminal Spirit Disease (1994)
Terminal Spirit Disease

[収録曲]
1.THE SWARM
2.TERMINAL SPIRIT DISEASE
3.AND THE WORLD RETURNED
4.FOREVER BLIND
5.THE FEVERED CIRCLE
6.THE BEAUTIFUL WOUND
7.ALL LIFE ENDS(LIVE)
8.THE BURNING DARKNESS(LIVE)
9.KINGDOM GONE(LIVE)
10.WINDOWS(LIVE)*
11.THE RED IN THE SKY IS OURS/THE SEASON TO COME(LIVE)*
12.THE BURNING DARKNESS(LIVE)*
(* JAPAN ONLY BONAS TRACK)
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[個人的満足度]
★★★★★★★★★★ |
チェロとヴィオラ担当を参加させて製作された3RDフルレンス。リリースは94年。ちなみに本作を最後にPiecevillと決別。
本作から作曲はビョーラー兄弟がメインで担当するようになった為、今までの作品で多用されていた変拍子などのひねくれたプログレッシヴ要素は減退。足早に駆け抜ける脚力とリフの切れ味を重んじつつ、泣きメロをしっとりとまとわせたこれぞ北欧メロデスなスタイルへとシフトしているのがまず第一印象。
自身の内奥から痛みを吐き出しながらのたうちまわるトーマスの歌唱も前作以上にテンションが上昇していて、まるでガラスの破片のシャワーを仁王立ちで受けるような緊迫感を持って絶叫。その姿に死を表現するデスボイスの名手としての貫禄を感じてやまない。
また、アレンジ面にもこだわりが感じられ、バイオリンやヴィオラ、チェロなどを駆使して悲壮と哀愁をもって叙情性を巻き上げる手法は意識こそ初期作品に向いているものの、その表現力とスケール感は段違い。
そして、一番注目すべきが楽曲面の充実だろう。冷風吹き荒れる中バイオリンが物悲しくわななくイントロから雪崩れ込む「THE
SWARM」、悲しみに身を震わしながら突進するタイトル・チューン「TERMINAL
SPIRIT DISEASE」、チェロとアコースティックギターを使用した涙腺を刺激するインスト「AND
THE WORLD RETURNED」、殺伐としながらもメランコリックなメロディを湛えた名曲「FOREVER
BLIND」といったような良曲、名曲を揃えつつ、あからさまな捨て曲も無い為、楽曲は総じて粒揃いだ。
そんなわけで本作は今までの作品と比べたら格が違うとまで言い切れるほど充実した内容なのだが、問題は7曲目から始まるライヴ音源。選曲は初期からのファンにはお馴染みのものらしいのだが、何故ここに収録しなければならなかったのが疑問。ボーナス・トラック扱いならまだしもアルバム本編に組み入れてしまうのはいかがなものだろうか。よってフルアルバムと呼ぶにはすごくまとまりに欠け、アーティスト側の意向が全く理解できないなんとも煮え切らない作品になってしまっているのが残念である。このアルバム構成は未だに謎だ。
2008.3.4 |
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| SLAUGHTER OF THE SOUL (1995)
Slaughter of the Soul

[収録曲]
1.BLINDED BY FEAR
2.SLAUGHTER OF THE SOUL
3.COLD
4.UNDER A SERPENT SUN
5.INTO THE DEAD SKY
6.SUICIDE NATION
7.WORLD OF LIES
8.UNTO OTHERS
9.NAUSEA
10.NEED
11.THE FLAMES OF THE END
12.LEGION *
(* JAPAN ONLY BONAS TRACK)
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[個人的満足度]
★★★★★★★★★★ |
前作をリリースし、ツアーを終了した後、彼らはEaracheに移籍。
そして95年、4枚目のフルレンスである本作をリリース。なおプロデュースはバンド自身によるもの。 この作品を聴いてしまうと一体今までの作品は何だったのかと思いたくなる。前作はアルバム構成こそ納得がいかないものの、バンドの成長から生み出された力作だと思っていたが、本作はそれすらも霞んでしまうオーラを纏っているから驚きだ。
そもそも前作のようなバイオリンやらチェロやらヴィオラといった小細工は一切無し。テンポ・ダウンすることもほとんどなく、アグレッシヴに暴れまわるもんだから痺れた。トーマスのヴォーカルもここでピークを迎えたのか、持ち味の表現力をキープしつつ、より痛々しさと絶叫の度合いを強めているからこれまた圧巻。
また、暴虐性を前面に押し出しつつも研磨されているのがリフとメロディ。これぞデスラッシュとガッツポーズをとりたくなる問答無用、切捨て御免に刻まれるリフの殺傷力とじわじわと染み出すリフメロ、泣きまくるギターソロ、そのどれもが今までの作品とは桁違いに威力を増しており、デスラッシャーを一発でノックアウトさせる説得力を備えているもんだから凄まじい。
本作は前置きは長いが暴走するリフにメロディが溢れ出す「BLINDED BY
FEAR」で華々しく幕を開け、ギターソロに悶絶させられるタイトル・チューン「SLAUGHTER
OF THE SOUL」、メランコリック・パートが炸裂する「COLD」、「UNDER
A SERPENT SUN」、涙腺が決壊しそうになる叙情的なインスト「INTO
THE DEAD SKY」、最もブルータルなデスラッシュ・チューン「SUICIDE
NATION」、テンポを落とした冒頭から突然爆走する「WORLD
OF LIES」、悲壮感が加速し、アコースティック・パートを搭載した「UNTO
OTHERS」、3分足らずで燃え尽きる「NAUSEA」、「NEED」、曲名通りバンドの運命そのものを表現した「THE
FLAMES OF THE END」といったように全曲名曲といっても過言ではないクオリティを誇っている。正直、音作りなどに若干の古臭さを感じないことも無いが、これほど魅力的な楽曲が詰まったデスラッシュ・アルバムは数十年に一枚あるかどうかだろう。
彼らの最高傑作として名高い本作は悲壮に満ちたメロディとデスメタルの暴力性のミクスチュアという手法の頂点に上り詰めた名盤。この作品でバンドが燃え尽きてしまったのも納得である。花火は散り際が美しいと言うことか。
2008.3.5 |
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