Motley Crue
若干17歳の ニッキー・シックス が1981年に LONDON を脱退したことからこのバンドの歴史が始まる。
彼は友人の紹介でドラマーの トミー・リー と合流。当時 SUITE 19 なるバンドにいた トミー・リー
だが、LONDON のファンだった。更に 「やかましく下品で攻撃的なギターを弾くプレイヤー」 と自分を売っていた ミック・マーズ をオーディションで獲得する。
この後すぐにバンドを去ってしまうも、とりあえずオー・ディーン なるヴォーカリストを入れることで初期 MOTLEY
CRUE の陣営は結成される。そこに当時は ROCK CANDY というバンドのヴォーカルであったという ヴィンス・ニール と出会い、バンドの新たなシンガーとして勧誘。ここに黄金のラインナップが誕生するのであった。
彼らは1981年に 「STARWOOD」 で YESTERDAY&TODAY の前座で初のステージを迎える。その後にすぐに
「STICK TO YOUR GUNS」 と 「TOO FAST FOR LOVE」 の2曲入りシングルを自身のレーベル 「LEATHUR」
から発表。更には年内暮れには1STアルバム 「TOO FAST FOR LOVE」 をリリースする。
フルレンス
アルバム 個人的満足度
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1981年のシングルデビューの半年後、同年12月に出された1STアルバム 「TOO FAST FOR LOVE」 。予算7,000ドル、僅か3日のレコーディングであった。
この自主制作盤とライブの評判が口コミで広まって、バンドは ELECTRA のA&Rマン、トム・ズータウ によってスカウトされる。ここで
MOTLEY CRUE はメジャーとのディールを獲得する。レーベル入りした彼らはそこで早速 ロイ・トーマス・ベイカー によってリミックスされたアルバム
「TOO FAST FOR LOVE」 を再度製作。内容を一部変えて、更に ヴィンス・ニール のヴォーカルをリレコーディング。その上曲順を変えての82年の再リリースとなった。
彼等のレーベル LEATHUR から自主制作でリリースされた1STアルバムは現在は廃盤。当然レア度の高いコレクターズ・アイテムとなっていることから私は未聴。よって後のリマスター盤をレビューの対象とする。ちなみに私が入手したのは未リリーストラックなどをボーナスとして収録したお得盤。
ロイ・トーマス・ベイカー によってメジャー感あふれる音質になっているというリマスター盤。まあオリジナルの方は未聴なため、このあたりは触れないでおく。なんでも自主制作盤の方が荒々しくエネルギッシュらしく、ファンの間での評価は高いそうだ。
本作のサウンドを一言でたとえるなら、極めてパンク色の強いハードロックと言えるだろう。
スカスカ気味でラフで先走った演奏。色気のあるハイトーンボーカル。英国ハードロックの影響も色濃いメランコリーな湿感。はたまた英国パンクっぽいみずみずしいポップさ。
初期衝動に駆られたロックンロールは未だに輝きを失わないものだし、これこそロック。ほとばしるパッションがあるからいい。どうしようもなく下品であるからいい。だからこそロックはロックであり、ロックはかっこいいのだ。
名曲にして代表曲 「LIVE WIRE」に始まり、シンガロングなタイトルチューン、胸を締め付けてやまない切ないラストチューンなどコンパクト、ポップ、キャッチーに連射する曲はあまりにも美しく尊い。
まあ完成度うんぬんで言ったら次作品からとは見劣りするだろうし、ところどころの青さや安っぽさはごまかしようがないのかもしれない。
ただ、ここにあるロックは素晴らしい原石であり、ダイアにさえ化ける可能性を秘めているのだ。
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83年にリリースされた2NDアルバム。プロデューサーは トム・ワーマン
。
当時のMTVブームにのって 「LOOKS THAT KILL」 や 「TOO YOUNG TO FALL IN LOVE」
のビデオクリップが頻繁にオンエアー。更に OZZY OSBOURNE とのツアーなどで名を高め、本作はセールスを好調に伸ばす。結果本作でビルボード17位を記録した他、前作
「TOO FAST FOR LOVE」 もその勢いをうけて77位に。また本作の制作時に ニッキー・シックス は交通事故を起こしてしまう。
本作はリリース後、まもなくタイトルも含めて悪魔主義を思わせる事が理由で、ジャケットが発禁扱いになってしまった。本来は内ジャケットに使われていたアートワークがジャケットに使われることになる。
なんていうエピソードからもわかるように彼らのアルバムの中で最も危険で退廃的ムード漂う作品である。まあ「GIRLS GIRLS
GIRLS」にはここにエロティックと付くのだろう。
前作では非常にパンクっ気の強いハードロックを聴かせてくれた彼らだが、パンク色はほとんど払拭されている。
ドタバタでビート感があり、コンパクトでキャッチーな楽曲はパンクっぽいといえばぽいのだが、あくまで正統的なハードロックとしての立ち位置が確立されている感がある。
全体をしっとりと包み込むダーク&へヴィメタリックな味わいは非常にブラックメタル的であるし、それで黒すぎないのはLAメタルの代表格たるエンターテイナーとしてのポップセンスによるところが大きいのだろう。
また、非常に英国メタル的であるのも前作と同様で、彼らのデビューした80年代初期といえば、NWOBHMの時期であるし、非常にその辺りの関係には興味深い。
黒魔術的なオープニングはVenomであるし、メランコリーなインスト「GOD BLESS THE CHILDREN OF
THE BEAST」はIron Maidenであるといえる。
そして、「BASTARD」や「RED HOT」などの楽曲にはMotorheadを感じてしまうし、ケバいロックンローラーとしての彼らの魅力を存分に感じることが出来る。
THE BEATLES で最もヘヴィな曲といわれる 「HELTER SKELTER」 のカヴァーもバッチリ決まっているし、「TOO
YOUNG TO FALLEN LOVE」のような代表曲も忘れてはなるまい。
ロックは自分をより悪く見せたもんの勝ちである。このアルバムはそう言っているように聴こえる。 |
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| 85年、本作をリリース
全体的にメジャーらしい音作りになり、スケール感の大きさは今までの比ではないだろう。初期のメタメタしさは無くなり、非常に引き締まったグルーヴ感が特徴的。
音が良くなってヴィンスのセクシーな高音が際立つし、骨太なギターには圧倒的な威圧感さえ感じさせる。ここにB級臭などまったく感じられない。
まあパンクスの身としては初期2作の荒々しいはっちゃけぶりや汚さ、怪しさをプッシュしたいところだし、本作はどうも中途半端な小奇麗さを感じてしまう過渡期にあたる作品だと思う。
だとしても「CITY BOY BLUES」のヤンキーぶり、 「SMOKE IN THE BOYS ROOM」のジャンキーらしいナイスカヴァー。
そして、トミー・リーがピアノに挑戦したバラード 「HOME SWEET HOME」 の美しさといったらたまらない。
「TONIGHT」 のような夜のネオン街を突っ走るようなドライブチューンもグッド。あと、「USE IT OR LOSE
IT」も非常にエロい。
一見地味だが、中身は相変わらず派手なのは彼ららしい。 |
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4ヶ月ものスタジオワークをこなして87年、4枚目のスタジオフルレンスである本作はリリースされた。プロデュースは前作までと同様、トム・ワーマン
がつとめている。 英語とは不思議なもので、というより日本人だからか。アルバムタイトルは直訳すると「女、女、女」。
めちゃくちゃ馬鹿でいやらしいことをほざいてるのだが、全然そうは聞こえないのがすごいところである。
なにはともあれ燃費の悪そうなバイクをぶるるんと唸らせ、人ごみに突っ込むような。札束のプールに浸かりながら、女をはべらすような不健康さ、頭の悪さがたまらないギラギラロックアルバムに仕上がっているのが特徴的か。
また、3コードに近いシンプルなロックンロールナンバーが多い。これは煌びやかな今までのイメージからすると、非常にワイルドというか。
悪ぶっていながらもどこか女々しいムードが魅力の彼らだったが、ここにきてそれを払拭。男性器...、おっと男性的なムードを前面に押し出している。
ていうか当たり前かなにせアルバムタイトルがアレなのだから。
そもそも今までの中性的なイメージから男性的に感じるのはヴィンスの歌唱によるところが大きい。高音域はあまり強調せず、タフでストロング。これぞアウトローな漢の歌唱である。金切りハイトーンにAC/DCの影も感じてみたりもする。
逆にグラムやパンクの影は完全に消え去り、LAメタルを踏み台にし、ネクストレベルのロックンロールへと進化を遂げた彼らの姿がある。
前述したようにこの上なく不良のロケンローが詰まった良いアルバムだと思うし、これを最高傑作と呼ぶファンもいる。
ただ、パンクスの私としてはグラム、パンク色の払拭は個人的に残念かな。楽曲の好み自体は初期に軍配が上がると言える。
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| 89年に出された通算5枚目のフルレンスが本作である。ここで トム・ワーマンと
決別。替わって AEROSMITH や METALLICA で知られる、ブルースフェアバーン の門下生 ボブ・ロック がプロデューサーに起用された。また本作のゲストには
スティーヴン・タイラー や ブライアン・アダムス 、 ジャック・ブレイズ 、そして ロビン・サンダー や リック・ニールセン
といった CHEAP TRICK 組、SKID ROW などの顔ぶれがズラリと並んでいる
前作がマイノリティな最高傑作だとすれば、本作は多くの方が最高傑作と推すアルバムである。
確かにすごい。まず何がすごいかというと音作り。タフでエネルギッシュなビート、みずみずしいポップ感、輪郭がくっきりしたへヴィネスなどボブ・ロックに仕事ぶりには感服させられる。
また、楽曲の充実度は確かに最高傑作の名に恥じぬもの。
「DR.FEELGOOD」 、「KICKSTART MY HEART」 「WITHOUT YOU」 といった代表曲はもちろん、脇を固める楽曲の粒の揃いぶり、そつのなさは目を見張るものがある。
音楽性をみると、全体的に見て前作にあったブルース色や無骨なロックンロール色は減退していることがわかる。
それゆえ不健康さや危なさ、エロさなどはそれほど感じられない。初期のファンの身としては楽曲の充実度以上に残念ではある。
そう、彼らの暗黒面をまったく感じないのだ、このアルバムは。その優等生的な立ち居地が私のロックコアを刺激しないというか。
過渡期であり、正統的なLAメタルを確立した「THEATRE OF PAIN」から、タフでハードロケンローな 「GIRLS
GIRLS GIRLS」の良いところどり。
とまではいかないが、まさに2つの好盤による成長が作らせた力作であることは間違いないのだが。「刺激」という面では初期の足元には及ぶまい。 |
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ELECTRA とのディールを締結しアルバムの製作に入った彼らだが、 ヴィンスニールがまさかの解雇。
原因はバンド側は 「音楽活動を疎かにしている」 と主張しているが、ヴィンス 側は 「バンドの向かう方向性に一致出来なかった」
と音楽的趣味の不一致を要因に挙げている。
ヴィンス はソロ活動を開始、バンドは新たに元 THE SCREAM の ジョン・コラビ を新シンガーに迎える。
陣営新たにアルバムの製作に突入する彼らであるが、メンバーの私生活もゴタゴタ続き。そんな苦境のなかでリリースしたアルバムが本作である。
元は 「TIL DEATH DO US PART」 とタイトルされていたが、そんな状況のためなのか、「MOTLEY
CRUE」 とシンプルなセルフタイトルでの発表となった。プロデュースは前作同様 ボブ・ロック。
ボーカルが変わっても今までのスタイルを貫くのかなと思っていたが、音楽性は今までの彼らとは大きく異なるものとなっている。
90年代という時代がそうさせるのか。非常にモダンというかオルタナティヴ的などっしりとしたへヴィネスを強調しているのが特徴的だ。
元々速い曲はそれほどやらない彼らだが、本作ではさらに曲調が遅く感じる。ジョン・コラビ の重量感のある歌唱やそれにあわせた曲作りからもそう感じるのだろう。
確かに硬質なビート、ゴリゴリしたギターなどかっこいいといえる部分は多々あるし、速い曲好きの私のハートにも響いてくるし、そうは悪くない。
ジョン・コラビのボーカルだって決して悪くない。彼のお陰で最も硬派で男らしい作品だと言っても良いくらいだ。
ただ、悪くはないのだが、そんなに中途半端なもので許されていいのだろうか。
そもそもこのバンドの魅力といったらわかりやすい不良性であり、どうしようもない軽薄さであり、それを注入した淫靡なロックンロールである。
そのような理由から今までの作品からすると地味、渋いといった印象しか出てこない。そもそも初期の彼らからすると曲が弱すぎる。
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| 「PERSOLAITY #9」 からタイトルを変えて本作 「GENERATION
SWINE」 はリリースされる。プロデュースは元 ハネムーン・スィート の スコット・ハンフリー
ヴィンス・ニールがボーカルに復帰後の初作品。ファンとしては彼の復帰を素直に喜びたいところだが、本作が良いアルバムと言えるかどうかはまた別である。
まあ、ある程度予想通りともいえるオルタナティヴ色が濃くなり、前作の延長線上といえるモダン風味に仕上がっている。
また、スコット・ハンフリー によるインダストリアル色も織り込まれ、無骨で男らしかった前作と比べると非常に派手さは増している。
元々 ジョン・コラビ が歌うことを前提に書かれていた楽曲を ヴィンス・ニール がヴォーカルをとったというのがこのアルバムなのだから、若干違和感を感じる部分が多々あるのも事実。
しかし、ヴィンスが歌うと非常にポップに聴こえるから不思議だ。楽曲も昔のみずみずしいポップさが復活してきている印象も受ける。
全体的に楽曲自体は非常にまったりしているというかゆったりしているというか。エモ臭さも感じるし、いまどきのロックといった感じである。
前作と同様悪くは無いものの、ヴィンスが戻ってきてならし運転...といったイメージを抱いてしまう作品だ。正直、新しいファンを開拓するには荷が重過ぎるアルバムである。
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| 99年3月、 トミー・リー 脱退。理由は自らのプロジェクト・バンド METHOD
OF MAYHEM をパーマネントなバンドとして専念する為ということだ。後任としては OZZY OSBOURNE での活躍が著名な名ドラマー、ランディ・カスティロ
が選ばれた。
なおバンドは99年にはアルバム全てをデジタル・リマスター化し未発表テイクを収録させた 「CRUCIAL CRUE」
シリーズをリリース。「MAXIMUM ROCK TOUR」 と名うたれたツアーは盛況となった。続いて彼らの初となるライブ・アルバム
「LIVE : ENTERTAINMENT OR DEATH」 をリリースし、2000年に8枚目のフルレンス、本作 「NEW
TATOO」 を発表。プロデュースは GUNS'N'ROSES 等の仕事で知られる マイク・クリンク 。
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その他
| MOTLEY CRUE 活動10周年記念を祝ってリリースされた彼等のベストアルバム。収録曲のほとんどはリミックスやリマスター、ライブ音源など。
麻薬で死亡したミュージシャンへの追悼トリビュート盤への参加曲である 「TEASER」 (元は トミー・ボーリン の曲)や
SEX PISTOLS の代表曲のカヴァー 「ANARCHY IN THE U.K.」 、加えて新曲を数曲収録している。
なかでも 「PRIMAL SCREAM」 はシングルカットされてヒットした。
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