| 地下ロックンロールバンド、毛皮のマリーズの2NDフルレンス。
地下ロックンロール界ではもはや神格化されつつあるガレージロックンロールバンド、毛皮のマリーズの自主制作のファーストを経て製作されたのが本作である。
その音楽性自体は至って普通のロックンロールともいえるし、60〜70年代の影を感じさせるガレージチックなもの。汚くファズるディストーションギターに60年代好きの私としてはうきうきせずにはいられない。
ヴォーカルは日本語で歌っているのにも関わらず、ほとんど聴き取りが不可能なのも面白い。ソウルフルと倦怠感を行ったりきたりするような独特の歌唱はかなりくせになる。もちろん、淫欲魔人イギーの影響もあるのだろう。
ロックは破天荒であれ。それを地で行くような名曲#1に始まり、ただのぽっと出ロックバンドの枠を越える曲の良さも是非特筆したい。超絶テンションを誇る#7、昭和を彷彿させる人を小馬鹿にしたようなメロが光る#8、#9、合唱コーラスで大地を震わす#10、#12、UKパンクをルーツにしているような#11といったように楽曲の充実振りは素晴らしい。
さらにこのバンド、かなりアコースティック色が強いナンバーを結構やっている。どれもかなりグッドだが、特に#4、#6は名曲である。
あくまでも彼らはMC5やSTOOGESなどのデトロイトのガレージ勢をルーツとする正統派ロックンロールバンド。速い曲は無いが、ガレージパンク・キング、SONICSの体感速度の速さをも受け継いでいる。それに初期ストーンズの不良感もたまらない。おまけにグラムな味わいはNEW
YORK DOLLSだ。これは本当にたまらない。
バラードやパワーポッピンなメロ使いにはBEATLESの影響も感じるし、ストレートなロケンローを生業としながら、ミクスチュア精神を絶やさないバンドなのだ。
それにしてもこんなファンタスティックなロックをただのガレージなんかに括れるだろうか。ましてやガレージ・リヴァィヴァリストと一緒にされるのは反吐が出そうになる。古臭い、モノクロだなんて言わせない。日本、いや、世界がこれを認めなければもうロックンロールは終わりだ。
さあ、戦争をしようか。もう偽善もなにもいらない。人は争う為に生まれてくるのなら、それしか生きる術がないのなら、それならせめてこのアルバムを聴いて、ひと時の安らぎを得ることを祈る。
尊敬と畏怖の念をもってここは★10個を献上しよう。未だ地下バンドとしか認識されていない彼らだが、地上を派手に突き破るのはまもなくだろう。
俺が見たのは幻なんかじゃない....。
2007.9.30
|