| 元THE CROWNのギタリスト、マルコ・デルヴォーネンが元MNEMICのヴォーカルだったトニー・イェレンコビッチが組んで作ったバンドのデビュー作。
小生にとって特別だったデスメタルバンド、THE CROWNのギタリストだった、マルコが作ったバンドのアルバムというなれば聴かぬ訳にはいかぬファン心理。
そもそもTHE
CROWNというバンドの魅力というのは各メンバーの高いミュージシャンシップとセンスから生み出される強烈なケミストリである。
個々のメンバーが猛烈に濃い音楽性を持ちながら、高いレベルでそれを融合し、楽曲に高い次元で機能させる。並のバンドが出来ないことを易々とやってのける超一流バンドであったのだ。
そのTHE CROWNが経済的理由で解散したときはショックを隠せなかった。スキモノには知らぬものなどいないはずのバンドだというのに、金の問題で解散してしまうとは。世の不条理を感じずにはいられない。
そして、THE CROWNでのマルコの役割はとても大きいものだった。アメリカンデスメタルの肉食ブルータリティ、北欧メロデス、メロブラよろしくのウェッティな叙情メロディ。それを効果的に導入できたのはマルコの仕事による所が大きいと思う。
そのマルコが作ったバンドなのだが、残念ながらデスメタルバンドではない。音楽性を一言で言うならゴシックメタル、もしくは北欧メロディアスハードロックか。
インタビューで彼はもうデスメタルをやりたくないと語っている。あくまでここにあるのはダークで、ゴシカル、シリアスでメロディアスなHEAVY
METAL。北欧の叙情メロをまぶして作り上げたロックは確かな品質を持っていることは認めよう。
元MNEMICのトニー・イェレンコビッチのボーカルは上手いというよりは渋いという印象。円熟と成熟をかもし出す歌唱は深いメロとの絡み合いは絶妙だ。
ただ、この突き抜けの無さはなんだろうか。どの曲もそれなりのメロがあるし、聴き所はある。それでもキラーチューンは不在。どうにも手放しで賞賛できない。
どの曲もみな同じ曲に聴こえるとまでは言わないが、どうにもワンパターン、パンチ力の欠如を感じてしまうし、個性がないことはないのだが、この現代では新鮮味を感じない。
北欧メロディックロックファンは手を出してみても大きな失敗はないと思うが、あくまでTHE
CROWNのファンとして手を出すのは危険かもしれない。本当はアルバムの完成度だけ言えば★をもう1つあげてもいいのだが、これからの期待を込めてこれ位にしておこう。まだまだこんなものではないはずだ、マルコの実力は。
ちなみに「Paint It Black」はROLLING
STONESのカヴァー。彼ら流にアレンジされているのアルバム内での違和感はない。
2007.9.19
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