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洋楽 ドイツ アーティスト

メロディック・パワーメタル 

 

 Gamma Ray

 89年にカイ・ハンセンHELLOWEENを脱退。カイBLIND GUARDIANゲスト参加するなどしていたが、その後、プロジェクト・バンドとしてこのGAMMA RAYを始動させる。
 カイは「ドイツ版JUDAS PRIEST」と称されたHEAVY METALバンド、TYRON PACEのヴォーカリストであったラルフ・シーパース(現在はPRIMAL FEARに在籍)をヴォーカルとして迎え入れる。
 リズム隊にはドラマーのマティアス・プールヒャードとベーシストのウヴェ・ヴェッセル、そしてキーボードとしてマイケル・ゲラフがここに加わることになる。
 こうしてHELLOWEENと対をなすジャーマン・メタル・バンドであるGAMMA RAYが誕生することになる。

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     アルバム             個人的満足度               

HEADING FOR TOMMOROW(1990) 

 ヘディング・フォー・トゥモロウ

 

曲目 
1.Welcome
2.Lust For Life
3.Heaven Can Wait
4.Space Eater
5.Money
6.Silence, The
7.Hold Your Ground
8.Freetime
9.Heading For Tomorrow
10.Look At Yourself
11.Mr. Outlaw (bonus track)
12.Lonesome Stranger (bonus track)
13.Sail On (bonus track)


個人的満足度
 ★★★★★★★★★★

 本作は90年にリリースされたGAMMA RAYのデビュー・アルバム。プロデュースはカイ・ハンセン自らが手がけている。

 HELLOWEENの4THアルバム「PINK BUBBLES GO APE」は1992年リリース。かぼちゃ本家より2年早くリリースすることとなったカイ・ハンセン率いるGAMMA RAYのデビュー作だが、これが素晴らしい出来でカイの脱退劇にやきもきしていたファンを安心させるには十分なものだった。
 基本的には「KEEPER OF THE SEVEN KEYS PART 2」の延長線上ということになるだろうか。対してかぼちゃの「PINK BUBBLES GO APE」はカイの脱退、ヴァイカートの後退によってポップでバリエーションの広がった作風となっている。
 このことからなにがわかるか。HELLOWEENのジャーマン・メタルらしさ、もとい、かぼちゃらしさはカイの要素によるところが大きかったということなのだろう。そういうこともあって初期HELLOWEENファンはこちらの方にすんなり入っていけると思う。
 そして、そのカイと組んだのが実力派ヴォーカリスト、ラルフ・シーパース。タイプ的に誰が似ているかと言うと言わずもがなロブ・ハルフォード。後に脱退してしまうのがなんとも惜しい限りだが、ここではその高い実力を存分に発揮してくれているのが嬉しい。特に4.SPACE EATERでの高音域のノビは圧巻である。
 そして、このアルバムの何よりも好ましいところはその楽曲の素晴らしさ。ジャーマン・メタルの伝家の宝刀1.WELCOME2.LUST FOR LIFEの流れはやはり絶品。続く3.HEAVEN CAN WAITは瑞々しくはじけるポップネスがたまらないし、HELLOWEEN節というかカイ節、コミカルでオペラチックな疾走チューン5.MONEY7.HOLD YOUR GROUND、恐ろしくドラマティックな美麗バラード6.THE SILENCE、UKパンク的な明るいメロを持つハード・ポップ・チューン8.FREE TIMEといった名曲は今聴いても色あせない。ボーナス・トラックの11.MR.OUTLWAWでポップでスリリングな疾走チューン。ああ、やばい。
 さらには13分以上にも及ぶ長尺曲9.HEADING FOR TOMORROWの構成力は相変わらず素晴らしい。どちらかというとHELLOWEEN時代の「HALLOWEEN」、「KEEPER OF THE SEVENKEYS」の方が好きだが、よくこんなに美メロがかけるものだと何度も感心してしまう。カイ師匠、さすがである。
 ちなみに「LOOK AT YOURSELF」はURIAH HEEPのカヴァー。大胆なアレンジは無いが、素晴らしい名演となっている。
 ジャーマン・メタルといえばカイ・ハンセンカイ・ハンセンと言えばジャーマン・メタル。そんな説得力に満ちた名盤である。この黙って俺についてこいみたいな圧倒的な威圧感と貫禄はカイ脱退後のHELLOWEENにはないものであり、私がカイ・ハンセン信者なのはそういう見えないパワーによるところが大きいのだ。

 2007.12.10

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SIGH NO MORE(1991) 

 

 Sigh No More [Remaster] (タワーレコード)

1.CHANGES
2.RICH AND FAMOUS
3.AS TIME GOES BY
4.(WE WON'T)STOP THE WAR
5.FATHER AND SON
6.ONE WITH THE WORLD
7.START RUNNING
8.COUNTDOWN
9.DREAM HEALER
10.THE SPIRIT
11.SAIL ON*

(* JAPAN ONLY BONAS TRACK)


個人的満足度
 ★★★★★★★★★★

 マティアスの後任として元HOLY MOSES(現HELLOWEEN)のウリ・カッシュ、ギタリストとしてツアーではベースを弾いていたダーク・シュレヒターが加入し、ツアー要員をバンド・ラインナップに編成しなおす。
 プロデューサーはトミー・ミュートンが担当し、本作は1991年にリリースされた2NDフルレンス。

 リーダー・トラックがインストでは無い、2曲目にも疾走チューンが無い。ジャーマン・メタルお決まりのオープニングを封印している為、あれ?と思ったファンも多いことだろう。
 アルバムは3曲目でやっと疾走チューンが登場するが、何か違う。いわゆるメロディック・パワー・メタルでは無いのだ。メロ・パワというよりは王道、正統派。すなわちJUDAS PRIEST,IRON MAIDENの血を受け継ぐ真っ当なHEAVY METAL。ヴォーカルがハイ・トーンのラルフということもあってJUDAS PRIEST臭さは倍増している。
 そもそも1,2曲目がミドル・チューンということ自体今までの彼ら、もといHELLOWEENとは一線を画すものとなっている。メロディが日本人好みに臭いわけでもないし、歌メロもそれほどキャッチーではないし、曲展開も複雑化。HELLOWEENの流れを汲むジャーマン・メタルを求めると肩透かしをくらいまくることは必至である。
 その為、本作の評価は賛否両論というか否定派も多かったりするが、なるほど、確かにわからなくもない。ここに前作のキラーチューンクラスの楽曲ははっきり言って無い。
 「LUST FOR LIFE」ほどの強烈無比な疾走チューンは?「MONEY」ほどの思わず胸躍るポップ・チューンは?「THE SILENCE」ほどの美しいバラードは?そのどれもが無い。楽曲のパンチ力は全て前作に劣るのはカイ・ハンセン信者の私も肯定せざるおえないだろう。
 だが、ちょっと待って欲しい。オープニングがインスト〜疾走チューンでは無くとも、前作ほどわかりやすく強力な楽曲が無くともこのアルバムには魅力的なパワー・メタルが詰まっているということは真実であると思うのだ。
 例えば一聴して地味なリーダー・トラック1.CHANGESは流麗でクラシカルなギターソロが耳を引くし、マッチョなコーラスが畳み掛ける2.RICH AND FAMOUSといった序盤の流れは捨て難い。
 また、メタル・ゴッド風の疾走チューン3.AS TIME GOES BY7.START RUNNINGもストレートなパワーメタルとして再評価すべきだろうし、今迄からすると相当メロハー寄りなバラード5.FATHER AND SON、シアトリカルな9.DREAM HEALERもカイらしいし、ラストの10.THE SPIRITなんてスルメ的な味わい深さがあって好ましいと思う。
 確かに80年代メタルに傾倒しているせいか渋いというか地味みたいな第一印象も感じるかもしれないし、「前作の方が好き」という正直な感想を抜きにしても、天才カイ・ハンセンの類稀なる才気に溢れた力作だとは思う。
 そして、何よりもJUDAS PRIESTなどの先人達に敬意を表しつつ、その音はGAMMA RAY以外の何者でもないっていうのは本当に凄いことだ。

  2007.12.12

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INSANITY AND GENIUS(1993) 

 

 Insanity & Genius [Remaster] (タワーレコード)

1.TRIBUTE TO THE PAST
2.NO RETURN
3.LAST BEFORE THE STORM
4.THE CAVE PRINCIPLE
5.FUTURE MADHOUSE
6.GAMMA RAY
7.INSANITY AND GENIUS
8.18 YEARS
9.YOUR TORN IS OVER
10.HEAL ME
11.BROTHERS
12.HEROS*

(* JAPAN ONLY BONAS TRACK)


個人的満足度
 ★★★★★★★★★★

 前作のツアー後、リズム隊がメンバーチェンジ。ドラマーがウリからトーマス・ナックに、ベーシストがウヴェからヤン・ルバックという元ANASTHASIA組が加入する。(ウリは後にHELLOWEENに加入)   

 本作は1993年にリリースされた3RDフルレンス。プロデュースはカイダークの2人が携わっている。    

 HELLOWEENと共にジャーマン・メタル二大巨頭が一つ、GAMMA RAYのリーダーと言えば言わずもがなジャーマン・メタル・ゴッド、カイ・ハンセン。当然、作曲面も彼の名前がクレジットに多く並ぶのだが、本作から他のメンバーも積極的に曲作りに参加しているのが特徴的である。  

 なんでもアルバムの構成も前半はカイ、中間にジャーマン・プログレッシヴ・バンド、BIRTH CONTROLのカヴァー(「GAMMA RAY」)を挟みつつ、後半は他メンバー作曲による楽曲に分けられているそうだ。HELLOWEEN時代からどちらかというと独裁的だったカイ・ハンセンからすると新しいエナジーを十分に取り込んでより良いものを作ろうとする姿勢が垣間見える。  

 前作ではメロ・パワではない正統派HEAVY METALを示し、本作ではBIRTH CONTROLの「GAMMA RAY」のカヴァーを示す。それが何を意味するのか。自らのルーツを再び省みることによって一区切りをつけ、新しいスタートを切ろうとするカイ・ハンセンのチャレンジ・スピリットではないだろうか。  

 そういう前向きな志向もあってか本作もどこかジャーマン・メタル、メロ・パワとは若干距離を置いた作風になっているのは間違いないだろう。  

 しかし、前作の作風が少し残念だった方は安心して欲しい。カイ・ハンセンは何のゴッドか?ジャーマン・メタル・ゴッドである!!  

 勇ましく臭いメロディは復活し、へヴィで、スピーディーで、激パワフルなメタルをここでは提示。そう、ここにあるのはパワーメタル以外の何者でもないのだ。  

 楽曲のわかりやすさと即効性は前作以上でリーダー・トラックの1.TRIBUTE TO THE PASTから極上のパワーメタルを炸裂させてくれるのが嬉しい限りだ。これはクサメロと重厚なへヴィネスを乗せ、砂塵を巻き上げつつ突進する名曲である。  

 続く2.NO RETURNは歌メロが優れているし、ガッツィなリフで特攻する3.LAST BEFORE THE STORM、徐々に盛り上がる4.THE CAVE PRINCIPLE、シアトリカルに爆走する5.FUTURE MADHOUSE(曲名に納得)といったカイが担当した前半の楽曲はどれもキラー揃い、粒揃いだ。  

 後半からはリズム隊二人が手がけたどこかエスニック風味のあるタイトル・チューン7.INSANITY AND GENIUSから始まるが、曲ムラがあるのが難点。まあバンド加入したてということも考えれば十分善戦しているだろうし、9.YOUR TORN IS OVERで聴ける頭の悪いコーラス、シュレヒターの高いポテンシャルが垣間見える10.HEAL ME(クライマックスではシアトリカルかつオペラティックな展開から雪崩れ込むソロの妙技)は中々のものだ。  

 また、ラストの11.BROTHERSもメロウながらもMANOWARに通ずる暑苦しさを誇っていて素敵だ。  

 相変わらずラルフの歌唱は素晴らしいし、ジャーマン・メタル・ゴッドの本領発揮と称えたい良盤である。真のパワー・メタルここにあり。

  2007.12.

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LAND OF THE FREE(1995)

 ランド・オブ・ザ・フリー

 

1.REBELLION IN DREAMLAND
2.MAN ON A MISSION
3.FAIRYTALE
4.ALL OF THE DAMNNED
5.RISING OF THE DAMNED
6.GOODS OF DELIVERANCE
7.FAREWELL
8.SALVATIONS CALLING
9.LAND OF THE FREE
10.THE SAVIOUR
11.ABYSS OF THE VOID
12.TIME TO BREAK FREE
13.AFTERLIFE


個人的満足度
 ★★★★★★★★★★

  なんとここで技巧派ヴォーカリストのラルフGAMMA RAYから脱退。ヴォーカリストに適任者が見つからず、カイがヴォーカルを兼任することになってしまう。

 カイ・ハンセンがヴォーカルを取り、彼らの初コンセプト・アルバムとなった4枚目のフルレンスが本作である。
 さて、気になるカイのヴォーカルだが...、はっきり言ってしまうとラルフと比べると歌唱力という面においては何歩も劣る。それはカイ・ハンセン信者の私でさえ認めざるおえない。それは悲しいことに変えようの無い事実なのだ。
 だが、もう歌唱力のことなんてどうでもいい。この作品にはそれを些事にしてしまう有無を言わさぬダイナミズム、圧倒的な説得力があるのだ。
 そして、カイがヴォーカルをとることによって蘇った初期HELLOWEENにも通ずるプリミティヴでざらついたアグレッションはHEAVY METALとしてなんらマイナスにはならないはず。まあ昔と比べるとかなり安定して小奇麗になっている為、「WALLS OF JERICHO」時代の神がかったアヴなさやいかがわしさは無いが。
 本作の基本的な作風としては前作のというよりは2ND「SIGH NO MORE」の延長線上ということになるだろうか。ありきたりなジャーマン・メタルからの脱却を目指しつつ、自らのルーツからは決して逃げず、最近の彼等に見られたオーセンティックなHEAVY METAL路線にアプローチを仕掛けたもの。そんな印象を受ける作品だ。
 それはリーダー・トラックの1.REBELLION IN DREAMLANDがイントロでも疾走チューンでもないことからもわかるし、続く疾走チューン2.MAN ON A MISSIONもメロ・パワというよりはやっぱりJUDAS PRIESTの流れを汲むパワーメタル。
 正直言ってメロディの臭みなどから楽曲単位で言えば前作の方が私は好きなのだが、とにかくカイの鬼気迫るオーラに正座して真正面から向かわなければならないようなそんな音の凄みはこちらの方が何倍も上だ。
 前述した名曲2.MAN ON A MISSIONも含め、ジャーマン・メタルからすると考えられないほどコンパクトに爆走する3.FAIRYTALE、エキゾチックなメロを配した4.ALL OF THE DAMNNEDと続くインスト5.RISING OF THE DAMNEDはロープレ・メタルと呼べそうだ。
 そして、そこからガツガツと畳み掛けるのは6.GOODS OF DELIVERANCE。コーラスになんとも力の入る剛力ぶりには唸らされる。
 さらにはカイのヴォーカルで一番心配だったバラードにおける歌唱だが、名曲7.FAREWELL を聴く限りこれはありなんではないだろうか。非常にラフでエモーショナルで意外にはまっている。曲自体もセンチメンタルなコーラスと欧州美性が芽吹くメロがたまらない。
 アルバムは高揚感伴う疾走チューン8.SALVATIONS CALLINGで再び加速。この曲といい、タイトル・チューン9.LAND OF THE FREEといいライブ映えするのは間違いない。
 アルバム終盤にはハード・メタリックながらも人を食ったようなポップネスが躍動する12.TIME TO BREAK FREE、ダークでクラシカルな13.AFTERLIFEといった佳曲を配置しているし、 最後まで息つく暇もなく駆け抜けてしまう。
 アルバム後半に行くほど曲質、テンション、ジャーマン・メタル・ゴッド、カイのカリスマティックなオーラが高まっていくのには一ジャーマン・メタルファンの身としては興奮を隠せない次第だ。
 カイがヴォーカルをとることにより生まれたバンドの独裁的ムード、やけっぱちで開き直ったエナジーが全編吹き荒れるまことに才気に満ちた力作である。
 ちなみに本作はHELLOWEENのヴォーカリストだったマイケル・キスクもゲスト参加しているので昔からのファンは要チェックだ。どうせなら正式にヴォーカリストとして加入...いや、それは言うまい。

 2007.12.16

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SOMEWHERE OUT IN SPACE(1997) 

 

 サムホエア・アウト・イン・スペース (タワーレコード)

1.BEYOND THE BLACK HOLE
2.MEN MARTAINS AND MACHINES
3.NO STRANGER (ANOTHER DAY IN LIFE)
4.SOMEWHERE OUT IN SPACE
5.THE GUARDIANS OF MANKIND
6.THE LANDING
7.VALLEY OF THE KINGS
8.PRAY
9.THE WINGED HORSE
10.COSMIC CHAOS
11.LOST IN THE FUTURE
12.WATCHER IN THE SKY
13.RISING STAR
14.SHINE ON
15.RETURN TO FANTASY*

(* JAPAN ONLY BONAS TRACK)


個人的満足度
 ★★★★★★★★★

 ダークがベースでのプレイを希望したため、カイは悩んだ末にそれを受け入れる事に。それに伴い、元ANESTHESIA組は脱退(彼らは一度は解散したANESTHESIAをこの後復活させる)、代わりにギターにはローランド・グラポウも在籍したことがあるRAMPAGESHARONでもプレイしていたヘニユ・リヒター、ドラムスには元LAZERダン・ツィマーマンが加入している。
 
 メンバーを大きく入れ替えて再出発を図った彼らの97年リリース、5枚目のフルレンスが本作だ。とはいっても新ヴォーカルは加入していないので、カイ、ヴォーカル否定派は食指がのびないかもしれない。いやいや、いくらなんでももうそろそろ上手くなっているんじゃないの?と期待しても基本的には何にも変わっていない。いつものカイ師匠の歌声だ。
 ただ、歌唱力自体は変わらずとも、その歌唱は前作以上に感情的で荒々しく、極上の歌メロを歌い上げる訳だから彼のファンはもう何も言なくなってしまうのだ。
 さて、本作の作風は若干の語弊があるかもしれないがメロ・パワというよりはメロ・スピと呼んだ方が正しいかもしれない。それはアルバムに収録されている楽曲のほとんどがアップ・テンポということからそう感じたが、北欧のなよっちいアオクサ・メタルと違って、やっぱりこちらはジャーマンの熱き血が巡るパワー・メタルが基本。そのあたりはジャーマン・メタル・ゴッド、カイ・ハンセンの素晴らしい伝統芸によるところが大きいのだろう。
 さらにこの辺りから後輩ジャーマン・メタラー、BLIND GUARDIAN色が濃厚になり、合唱コーラスだとかクワイアでのアレンジだとか彼らを彷彿させる要素がフィーチュアされているのが特徴的か。
 ということで簡単に言うならBLIND GUARDIAN meets HELLOWEEN meets JUDAS PRIEST = GAMMA RAY(笑)。言ってみれば元々カイ・ハンセンという人は美味しい所取りが上手い人なのだが、やはりこの人がやれば一味も二味も違う。C級バンドがやればダサいが、カイがやれば正義なのだ、きっと。
 また、合唱コーラスを伴うサビの歌メロがかなりキャッチーで洗練されてきており、歌モノとしての品質力も大幅アップ。曲数は多いが、ドラムソロやイントロを交えつつ、捨て曲なしに固めてくるこのアルバム構成。うーむ、カイの溢れるセンスと共にバンドがいかに充実しているの窺えるではないか。
 アルバムは天駆ける爆走チューン1.BEYOND THE BLACK HOLEで幕を開け、メタル・ゴッド譲りのメタメタしさで迫る疾走チューン2.MEN MARTAINS AND MACHINES、ソフトでメロウな歌メロを持つ3.NO STRANGER (ANOTHER DAY IN LIFE)、彼らからBLIND GUARDIANへの回答であるタイトル・チューン4.SOMEWHERE OUT IN SPACEといった序盤の流れは素晴らしい。
 中盤にはシンガロングを誘う7.VALLEY OF THE KINGS、壮大なスケール感の大波に呑まれるバラード8.PRAYといった佳曲や、なんといってもこれぞ様式美な9.THE WINGED HORSEは圧巻。
 終盤に至ってはダン・ツィマーマンのドラムソロである10.COSMIC CHAOSを挟み、#11〜#14という最強の流れを用意してくるものだから、本当に最後まで飽きさせないアルバムだ。

  2007.12.18

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POWERPLANT(1999) 

 

 パワープラント (タワーレコード)

1.ANYWHERE IN THE GALAXY
2.RAZORBLADE SIGH
3.SEND ME A SIGN
4.STRANGERS IN THE NIGHT
5.DARDENS OF THE SINNER
6.SHORT AS HELL
7.IT'S A SIN
8.HEAVY METAL UINVERSE
9.WINGS OF DESTINY
10.HAND OF FATE
11.ARMAGEDDON
12.LONG LIVE ROCK'N'ROLL*

(* JAPAN ONLY BONAS TRACK)


個人的満足度
 ★★★★★★★★★

 1999年リリースの6枚目のフルレンス。実は前作と同じメンバーで初めて製作されたアルバムなのだが、メンバーチェンジをしなかったということが重要なのではなく、バンドの一体感と成長がしっかりと感じられることが重要なのだ。それがわかるのはカイ以外のメンバーのソングライテイング面での台頭。そう、カイ以外のメンバーが作った楽曲がかなり良く出来ているのが本作の特徴と言える。
 アルバムはカイ作により疾走チューン「ANYWHERE IN THE GALAXY」、「RAZORBLADE SIGH」で幕を開ける。これらの曲はカイらしいざらついたアグレッションとスケールのでかい大仰さで迫る佳曲だ。
 しかし、この2曲は挨拶代わりの小手調べみたいなもので、このアルバムの一番の魅力というかコアはカイが書いた曲以外。つまりは「SEND ME A SIGN」以降からと言っても良いはず。この「SEND ME A SIGN」はヘンヨが書いた曲だが、キャッチーなサビといい、ポップでメランコリックなメロ使いといい絶品だ。
 続く、「STRANGERS IN THE NIGHT」、「DARDENS OF THE SINNER」はダニエルの曲で、彼の作る楽曲は一言で言えばBLIND GUARDIAN meets JUDAS PRIESTのようなイメージだろうか。特に 「STRANGERS IN THE NIGHT」なんてヴォーカルもロブを意識しまくりでなんだか微笑ましい。
 「SHORT AS HELL」はカイ作だが、まあ休憩と言った感じで、そこそこの曲。この曲により、カイの曲より他メンバーの楽曲の方が良いというイメージが植えつけられてしまうことだろう。
 そして、秀逸なのが「IT'S A SIN」。これはPET SHOP BOYSのヒット曲のカヴァーなのだが、この威風堂々たるジャーマン・メタリックなアレンジはどうだ!!力強さと切なさを前面に押し出し、メロディの臭さが加速しているこのアレンジの上手さには脱帽である。
 「HEAVY METAL UINVERSE」はもう曲名からして暑苦しいが、カイらしいアグレッションが爆発するパワフルな曲だ。サビはライヴで合唱間違いなしである。
 「WINGS OF DESTINY」はまたしてもヘンヨの曲。メロディアスでスラッシーなリフと哀感を伴いながら飛翔する歌メロにはもう悶絶。文句なしの名曲で、後半のハイライトだ。
 「HAND OF FATE」はべーシストであるダーク作曲。合唱コーラスをフィーチュアした重厚なミドル・チューンでこれも中々かっこいい。大仰な展開とクライマックスの静のパートにはゾクゾクさせられる。
 そして、アルバムのラストを飾るのはカイによる「ARMAGEDDON」。これぞジャーマン・メタル・ゴッドであるカイの本気(マジ)な才気なり。この曲の存在により、アルバム全体がかなり締まった印象を受ける。
 本作は彼らのアルバムの中で「HEADING FOR TOMMOROW」、「LAND OF THE FREE」をも越えた最高傑作という呼び声も高く、特に中盤〜後半にかけての楽曲の充実振りは凄まじい。何にせよ、ジャーマン・メタルファン、いや、メロディックなHEAVY METALが好きならば速攻でゲットすべき名盤だ。グレイト。

 ちなみに、ボーナス・トラックの「LONG LIVE ROCK'N'ROLL」はRAINBOWのカヴァー。

  2008.1.18

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NO WORLD ORDER(2001)

 

 ノー・ワールド・オーダー (タワーレコード)

1.INDUCTION
2.DEATHRONE TURANY
3.THE HEART OF THE UNICORN
4.HEAVEN OR HELL
5.NEW WORLD ORDER
6.DAMN THE MACHINE
7.SOLID
8.FIRE BELOW
9.FOLLOW ME
10.EAGLE
11.LAKE OF TEARS
12.TROUBLE*

(* JAPAN ONLY BONAS TRACK)


個人的満足度
 ★★★★★★★★★★

 前作の後に所属レーベル「MODERN MUSIC/NOISE RECOREDS」が「SANCTUARY」に買収されてしまった為、「METAL IS」にバンドはレーベルを移籍することになった。本作は2001年にリリースされた通算7枚目のフルレンス。
 メンバーが「SOMEWHERE OUT IN SPACE」から3作同じで、プロデュースはカイとダーク。さらにはCO-PRODUCEはGAMMA RAYというバンドの結束力の強さをこれでもかとアピールした作品だ。
 そして、本作はJUDAS PRIESTIRON MAIDENからのパクリが目立つ作品として有名で、それらのバンドを彷彿させるフレーズがある「THE HEART OF THE UNICORN」、「HEAVEN OR HELL」、「NEW WORLD ORDER」(この曲はJUDAS PRIESTの完全なパクリとまで言われている)、「FIRE BELOW」などの楽曲や、それらに加えてボーナス・トラックはあまりにRAINBOW過ぎるという意見もある。あっ、「EAGLE
」もJUDAS PRIESTっぽいね。
 このようなカイ曰く「ルーツ」であるバンド群に対するオマージュは個人的には嫌いでないどころか、完全肯定。彼のオマージュの仕方にはセンスがある。それは間違いない。大体からして末端がJUDAS PRIESTIRON MAIDENだろうが、重要なコアはGAMMA RAYそのものであり、これがオリジナリティが無いとは言わせないよ。むしろ、オールド・メタラーなら「おっ、メイデンじゃん」とか言いながらニヤリとするのが本作の正しい楽しみ方ではないだろうか。
 まあ私がわざわざ言わなくても、彼らの本質を知るファンや良識のある方々ならわかっていただけると思うが、特にメディアはこの辺りがえらい気になるらしく、やたら取り沙汰したがることにはもううんざりしてくる。あのねえ、貴方達の好きなバンドだって結局は完全なオリジナルなんてことはありえないんだよ?いい加減、わかれよ、ほんと。
 さて、前置きが長くなってしまったが、本作は前述した「80年代メタルのパクリ・アルバム」の一言で済まされるようなチンケな代物ではなく、バンドの強固な信頼関係から生み出される良質なパワー・メタルが詰まった好盤だ。特徴としては再びカイ作の楽曲が増えたこと。他メンバーが手がけた楽曲は「DEATHRONE TURANY」、「DAMN THE MACHINE」がダニエル、「FOLLOW ME」、「LAKE OF TEARS」がヘンヨの手によるもの。前作からするとカイ以外の楽曲が手がけた楽曲が相当少ないことがおわかりになると思う。
 そんなわけで前作はカイというよりはヘンヨのアルバムというイメージが強かったが(前作収録の「WINGS OF DESTINY」は名曲だったし)、本作はやはりカイのアルバムといったイメージが強い。彼らしい臭いだけで軽いメロスピではなく、重くて暑苦しくて、そして、これが一番重要。かっこいいのだ。そう、GAMMA RAYはかっこいいHEAVY METAL・バンドなんだ。
 アルバムはジャーマン・メタルではおなじみのイントロ〜疾走チューンという彼等にとっては久しぶりの手法で幕を開ける。イントロである「INDUCTION」は格闘技のCMで流れまくっているので、恐らく日本での知名度はかなり高いだろう。まあそんなことはどうでもいいとして、続く「DEATHRONE TURANY」は期待通りの疾走チューンでアルバムに安心して身を委ねられる。実直過ぎてジャーマンらしいサビがシンガロング欲誘う「HEAVEN OR HELL」、「DAMN THE MACHINE」、プリーストを彷彿させるソリドなリフで爆走する「SOLID」もグッドだ。
 そして、前作でヘンヨ・ファンとなった身としてはクラシカルな美感を伴う「FOLLOW ME」、「LAKE OF TEARS」の秀逸ぶりには、彼のセンスの高さを再認識させられた次第だ。個人的にはもっと楽曲を提供してもらいたかったな。
 正直に言えば、バンド・メンバーが巻き起こすミラクルなケミストリと全体的な楽曲のパンチ力、一撃必殺のキラー・チューンといった点では前作に軍配が上がると思うが、このレベルの楽曲をポンポンと並べる技量と才気は並じゃない。本当にここまで彼らを追いかけて良かったと思える安定した作品だ。

  2008.1.19

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Majestic (2005)

 マジェスティック

 

1.My Temple
2.Fight
3.Strange World
4.Hell Is Thy Home
5.Blood Religion
6.Condemned To Hell
7.Spiritual Dictator
8.Majesty
9.How Long
10.Revelation


個人的満足度
 ★★★★★★★★★★

 メンバーを固定し、波に乗った彼らが2005年にリリースした8THフルレンス。プロデュースは当然、カイとダークの二人。co-produced by: Gamma Rayとの文字も前作同様光り輝いている。
 さて、前作で過渡期に入った感もあった彼らだが、ここにきて「My Temple」のHEAVY METAL然とした高熱のアグレッションはどうだ!!雰囲気的には「Insanity And Genius」アルバム収録の「Tribute To The Past」にも近いこの曲は初っ端から我々ファンを圧倒してくれる素晴らしさだ。
  最近はカイ以外の作る楽曲も増えてきた彼らだが、本作では「Condemned To Hell」、「Spiritual Dictator」、そして、ボーナス・トラックの「Hellfire」がダニエル、「Fight」、「Revelation」がヘンヨによる楽曲だ。
 単にカイ以外の作った曲というのが重要なのではなく、優れた楽曲というのがポイント。特に流麗でクラシカルなギターワークと歌メロに優れる「Fight」、「Revelation」は名曲だ。いやー、やっぱりいいね、ヘンヨは!こういう曲を作らせたら上手いわ。
 一方、ダニエルの書く曲はいかにもジャーマン・メタルといった感じで(メロスピじゃないよ、この違いわかるかな?)、同郷のIRON SAVIORを彷彿させるストレートなピュア・メタルチューン「Condemned To Hell」は個人的には結構好き。
 ヘンヨやダニエルの作った楽曲がカイの曲を食ってしまう時が時折あるが、例えばカイ作の「Blood Religion」、「Majesty」あたりよりは彼らの作った曲の方がよっぽど良かったりする。もちろん、これらの楽曲はは駄曲というわけではないので、あしからず。
 全体的な作風としては前作の延長線上に当たると思うが、カイの精神状況も関係しているのか、かなりダークでアグレッシヴ。疾走チューンはかなり憤怒にまみれて爆走しているし、ミドル・チューンもめっさヘヴィ。最近のHELLOWEENのポップな歌モノ傾向と比べるとかなりハード・メタリックな作りになっているのが特徴的である。
 そういった重厚な作りからカイのヴォーカルの弱さが目立ってしょうがないという意見もあるが、そんな意見は今更でしょ?代えれるものなら私だって代えて欲しいわ。しかし、偉大すぎるラルフや個性の強いカイ以上のヴォーカリストが簡単に見つかるとは思えないし、ファンなら黙ってカイに付いていくしかない。
 さてさて、言いたくも書きたくもならないことだが、一応触れていこう。カイ特有の先人達からのオマージュ、つまり、IRON MAIDENJUDAS PRIESTからの引用は前作ほど目立たないので、メディアの皆様やモノの本質を知らん偏屈メタラーは大喜びだろう。そんなもん、このバンドのほんの一部でしかないのにね。
 まあ中盤の楽曲がちょっと弱かったり、やや突き抜けに欠くといった印象はあるが、ファンなら文句なしに楽しめるアルバムだ。

  2008.1.19

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Land of the Free Part II (2007)

 ランド・オブ・ザ・フリーII

 

曲目 
1.イントゥ・ザ・ストーム
2.フロム・ジ・アッシズ
3.ライジング・アゲイン
4.トゥ・マザー・アース
5.レイン
6.リーヴィング・ヘル
7.エンプレス
8.ホエン・ザ・ワールド
9.オポテュニティ
10.リアル・ワールド
11.ヒア・ミー・コーリング
12.インサレクション
13.ブラッド・レリジョン(ライヴ・イン・モントリオール)(ボーナス・トラック)


個人的満足度
 ★★★★★★★★★★

 すでにHELLOWEENとのカップリング・ツアーも決まっている彼らの2007年にリリースされた9枚目のフルレンス。
 彼らの代表作の一つとして名高いかの「Land of the Free」アルバムの続編に当たるのが本作。この時点からすでに原点回帰的なムードが漂ってきそうだが、確かにダークでアグレッシヴだった前作からするとライト&キャッチーでコンパクトな作りが特徴的。長尺曲もラストに置いて、とにかく聴きやすさを重点に作られたかのような作風だ。
 ただ、いくら「Land of the Free」アルバムの続編とはいっても、それの作風にはすごい近いというわけでもない。前述したようにどちらかというとアルバム構成はコンパクトだし、大作志向が強かった「Land of the Free」アルバムと比べて云々というわけにはいかないだろう。
 そして、メディアや偏屈メタラーの大好きな「パクリ談義」は本作からまた加熱したようだ。実はダークが作曲した「Opportunity」なんてもろIRON MAIDENとか叩かれまくっているようだが、それならもう彼らのアルバム買わなくていいんじゃね?それでIRON MAIDENの昔のアルバムずっと聴いてりゃいいじゃん。大体からして、パクっておいて曲がつまらんならまだしも、カイは吸収の仕方にセンスがある...って何回言わせるんだ。って、もうどうでもいいか、そんなことは。
 そんな訳でパクリの嫌いな人は本文を読んで、パスとか思っていただけたら幸いである。どう?参考になった?
 前置きが長くなってしまったが、ジャーマン・メタルの頂点を担うバンドだけあって、本作も楽曲の全体的な質は高い。例えば「From The Ashes」は疾走力に優れた名曲だし、「Rain」はヘンヨならではの楽曲で歌メロが冴えている。他にもイントロ「Rising Again」から雪崩れ込む「To Mother Earth」、ダニエル作曲の「Empress」など優れた佳曲も存在。
 まあ前述したオマージュの件も踏まえつつ、所属レーベルの移籍問題などのゴタゴタからバンドが忙しかったせいか、やっつけ仕事の練り込み不足という意見には否定しようがないし、突き抜けた名盤とまでは言わない。しかも、ラストの10分を越える大作「Insurrection」もここ最近の長尺曲の中では一番微妙。だが、この曲の聴き手を強引に引き込んでしまうパワーはカイならではだとは思う。
 さらには一撃必殺のキラー・チューンに欠けるし、「歌モノ」」としての機能性はHELLOWEENの今年出た新作に劣っている気がしないでもないが、とりあえずファンなら買って損はないだろう。それにしてもバンドとしての過渡期にあたるアルバムなんだろうが、それでもこれだけのクオリティの高さはすごいね、やっぱり。さすがはジャーマン・メタル・ゴッド、カイ・ハンセンと言ったところか。

 2008.1.21

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その他

POWER OF METAL(1994)

 

 

GAMMARAY
1.TRIBUTE TO THE PAST
2.NO RETURN
3.SPACE EATER
4.CHANGES
5.INSANITY AND GENIUS
6.LAST BEFORE THE STORM
7.HEAL ME
8.I WANT OUT
 〜FUTURE WORLD
 〜RIDE THE SKY
9.FUTURE MADHOUSE
10.HEADING FOR TOMORROW〜DREAM HEALER

OTHERS.....
(PLAYED by HELLICON.RAGE,CONCEPTION)


個人的満足度
 ★★★★★★★★★★

  2008.1.21

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ALIVE '95(1995) 

 Alive '95

 

1.LAND OF THE FREE
2.MAN ON A MISSION
3.REBELLION IN DREAMLAND
4.SPACE EATER
5.FAIRYTALE
6.TRIBUTE TO THE PAST
7.HEAL ME
8.THE SAVIOR
9.ABYSS OF THE VOID
10.RIDE THE SKY
11.FUTURE EORLD
12.HEAVY METAL MANIA
13.LUST FOR LIFE*

(* JAPAN ONLY BONAS TRACK)


個人的満足度
 ★★★★★★★★★★

  1995年の6月に来日公演を控えていた彼らだったが、ここで初のライブアルバムをリリース。音源は「LAND OF THE FREE」アルバムのツアーからのもので、ヨーロッパ各地からのテイクをベスト編集。イタリアのミラノ、ドイツのアーランゲン、フランスのパリ、スペインのマドリッド、パンプローナという5ステージから選出されているようだ。
 いかにもヨーロッパらしいサッカーのサポーターノリなオーディエンスのコール、レスポンス。かの地の人気の高さが窺える熱気にはうーむ、こちらのライブ欲も高まってくるではないか。
 しかも、音質はかなり良好で楽曲の良さを全く損ねておらず、歓声もそれを彩るグッド・スパイスになっているものだからライブアルバム特有のマニアックな空気は皆無。初心者入門用にお薦めするならやはり1STアルバムだが、これを初めに聴くのもアリっちゃあアリなのかもしれない。それ位のパワーは感じた次第だ。
 アルバムは1.LAND OF THE FREEで幕を開けるが、ここまでライブ映えするとは思わなかった。下手すりゃスタジオ版の数倍かっこいいかもしれない。続く2.MAN ON A MISSIONも体感速度、当社比1.5倍のようなラフで勢い先行な演奏。こいつもたまらんわ。
 といったようにカイのヴォーカル、バックの演奏はライブ特有のアッパーなムードの中で非常にアグレッシヴに冴え渡っているのには好感触だ。この後、メンバー・チェンジが勃発するとは思えないほどバンドの一体感があって、攻撃性だけではなく、きっちりと整合感もキープされているのもポイント。
 他の聴き所は元々ラルフが歌っていた「SPACE EATER」や「TRIBUTE TO THE PAST」などの楽曲をカイが歌っているということと、後半にHELLOWEENの楽曲があるということか。
 前者はカイが難なくこなしているし、やはりカイが作った曲をカイが歌えないわけが無い!!いや、むしろ、俺が歌ってこそ真理だみたいな圧倒的な貫禄には痺れる。1STアルバム屈指の名曲13.LUST FOR LIFEはさすがにハイ・トーンのノビが無いカイにとっては若干荷が重いかなと思ったが、やはりこれはこれでありだ。そこらへんの馬の骨が歌うよりはカイに歌って欲しいし、それがGAMMA RAYというバンドの本質なのではないだろうか。
 後者は入れるべきではない、多すぎるという意見もあるらしいが、元々カイの曲だし、こういう曲を聴けるのがライブアルバムの強みだと思うので、私は大いに楽しめた。10.RIDE THE SKYは今聴いても、どこで聴いても全く色あせない名曲だと再認識。
 選曲自体は若干の不満が残るところもあるが、どれもこれも名演であり、さすがプロフェッショナルの仕事と唸らされる。彼らのファンならフルレンスのついででもいいので、是非手にとって貰いたい好ライブ盤だ。 

 2007.12.16

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SILENT MIRACLES(1996) 

 

1.MIRACLE
2.FAREWELL
3.THE SILENCE
4.A WHILE IN DREAMLAND


個人的満足度
 ★★★★★★★★★★
 「LAND OF THE FREE」アルバムからのシングル。しかも、ただのシングル・カットではなく各曲をバラードにアレンジしている企画盤。
 「MIRACLE」の原曲は「MAN ON A MISSION」。なんと疾走チューンをバラードにアレンジしてしまうという力技を見せている。続く「FAREWELL」、「THE SILENCE」はピアノでアレンジしたもので、「A WHILE IN DREAMLAND」はアルバムのアウトテイク。
 難点はお粗末なサウンド・プロダクション。 これがあまりにも惜しい。

 2008.1.17

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BLAST FROM THE PAST(2000)

 

 Blast From The Past (タワーレコード)

DISK 1
1.WELCOME
2.LUST FOR LIFE
3.HEAVEN CAN WAIT
4.HEADING FOR TOMORROW
5.CHANGES
6.RICH & FAMOUS
7.ONE WITH THE WORLD
8.DREAMHEALER
9.TRIBUTE TO THE PAST
10.LAST BEFORE THE STORM
11.HEAL ME

DISK 2
1.REBELLION IN DREAMLAND
2.MAN ON A MISSION
3.LAND OF THE FREE
4.THE SILENCE
5.BEYOND THE BLACK HOLE
6.SOMEWHERE OUT IN SPACE
7.VALLEY OF THE KINGS
8.ANYWHERE IN THE GALAXY
9.SEND ME A SIGN
10.ARMAGEDDON


個人的満足度
 ★★★★★★★★★★

 2000年にリリースされたバンドとしては初となるオフィシャルベストアルバム。はっきり言って、私は過去の名曲を寄せ集めただけのベスト・アルバムなんて買う価値は無いと思っているタイプの人間なのだが、これはいい。非常にファン思いなベスト・アルバムだ。
 どの辺りがファン思いかというと、現在のメンバーで楽曲を新しくアレンジしているということと、ファンクラブのメンバーによる投票によって決められた選曲だ。これはファンにとっては本当に嬉しい企画である。
 アルバムは2枚組で、1枚目は1ST〜3RDからの出典。つまりラルフ・シーパースが歌っていた楽曲をカイがヴォーカルをとり、現メンバーがリメイク。こちらが本作の目玉となるはず。
 一方、2枚目は4TH以降の楽曲を、一部再録したり、リマスターしたもの。最近の楽曲をわざわざリマスターしてくれるとは本当にありがたい。
 さて、まずはDisc1の方の内容から触れてみようか。初っ端のイントロに懐かしさが募り、続くは1STで最強を誇った疾走チューン「LUST FOR LIFE」...なのだが、これギターの音階が低くない?なんか変なんだよな(「HEAL ME」とかも)。そのお陰でなんだかこの曲特有のソリッドな疾走感が死んでしまっているようで、ちょっと不満。でも、カイのヴォーカルにあわせてこうなったのかもしれないし、十分かっこいいわ。名曲だよ、やっぱり。
 他には長尺曲「HEADING FOR TOMORROW」はアドリヴ的というか少しまったりめになっていたりと原曲と雰囲気が違うものも多くなっている。ていうかこの曲に限らず全体的にまったりしており、高熱なアグレッションと激烈なテンションを求めると肩透かしを食らうことになりそう。
 一方、Disc2は「LAND OF THE FREE」アルバム収録曲に関してはリズム隊のみ再録音で、「THE SILENCE」はミニアルバムのテイクなものだから、これがちょっと他に比べると薄っぺらいのが気になる。
 しかし、凄いのは「BEYOND THE BLACK HOLE」以降の「SOMEWHERE OUT IN THE SPACE」アルバムの収録テイク。リマスターのせいか、音圧と分解能が恐ろしくアップしている。これが一番重要かも。
 全体的に見て原曲のそれを越えているものは少ないが、ダークのベースがバキバキとうねりを上げているので、楽曲をハード・メタリックに引っ張っている。これだけでも結構聴く価値はあると思う。
 音作りにもよるせいか、アルバムは淡々と進むため、ベスト・アルバムという割には初心者入門用に向かないと思うし、正直熱心なファン向けといった趣が強い。まあフルレンスより優先すべきアルバムだとは思わないが、財布の中身に余裕があったら是非どうぞ。 

  2008.1.23

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