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ノルウェー

ブラックメタル

アーティスト

MAYHEM

MYSPACE

 

公式ホームページ

 Mayhemは1983年にギター(兼ヴォーカル)のEuronymous(当時はDestructor)を中心に、ベースのNecrobutcher、ドラムのManheimの3人によって結成。バンド名はVenomの「Mayhem with mercy」から取ったようだ。
 彼らは1985年に最初のライブを行い、1986年には最初のデモ「Pure Fucking Armageddon」をリリース。 そして間もなくMessiahをセッションヴォーカルとして迎えることになるが、すぐにメインヴォーカルとしてManiacが加入。
 1987年に彼らは2枚目のデモアルバム「Deathcrush」をリリースするものの、ManiacとManheimが脱退、新たにTorben(Dr.)とKittil(Vo.)が加入する。 だが、その二人もすぐに脱退してしまう。
 1988年には伝説のヴォーカリストDeadと天才ドラマーHellhammerが加入し、精力的に活動を行い始める。
 しかし、3年後の1991年、Deadが猟銃で頭を撃ち抜いて自殺してしまう(Euronymousはその遺体を写真に撮り、後のブートCDのジャケットにも使用している)。 また、その直後に今度はNecrobutcherがバンドを去り、後任のヴォーカル、ベースとしてOccultusが加入することになるが、やっぱりすぐに脱退してしまう。 
 1993年、残ったEuronymousとHellhammerは、TormentorのAttila(Vo.)、 BurzumのGrishnackh(B.)、ThornsのBlackthorn(Snorre)(G.)を迎えて新アルバムをレコーディングするが、EuronymousがGrishnackhの手によって殺害されたためにMayhemはここで一旦、活動を終えることになる。
 そして、Euronymousの遺作となった1STアルバム「De Mysteriis dom sathanas」は翌1994年にEuronymous自身のレーベルDeathlike silenceからリリースされることになる。


フルレンス

De Mysteriis Dom Sathanas (1994)

 De Mysteriis Dom Sathanas

 

[収録曲]
1. Funeral Fog
2. Freezing Moon
3. Cursed In Eternity
4. Pagan Fears
5. Life Eternal
6. From The Dark Past
7. Buried By Time And Dust
8. De Mysteriis Dom Sathanas

Euronymous / guitar
Blackthorn / guitar
Grishnackh / bass
Hellhammer / drums
Attila / vocals



[個人的満足度]
  ★★★★★★★★★★  


 ブラック・メタラーに「ブラック・メタルの歴史上、最も重要な名盤は何?」と聞けば恐らくほぼ全員が本作を挙げることだろう。もちろん、ブラック・メタルという言葉自体を作り、全ての暗黒メタル勢の礎を築いたVENOMの初期2枚のアルバムも重要だが、ブラック・メタルを一つの音楽ジャンルにまでのし上げたのは間違いなくMAYHEMだ(特に中心人物であるEuronymous)。
 さて、バンドの歴史は上記の文を読んで頂ければおわかりになると思うが、まさに血塗られた歴史を歩んでいるバンドだ。前任ヴォーカルは自殺するわ、一番弟子(Grishnackh)が師匠(Euronymous)をぶっ殺すわ、教会に放火するような犯罪集団を作るわ、ほんとやりたい放題。VENOMは悪魔信仰をあくまでもネタとして活用していたのに対し、MAYHEMやこの界隈の連中は真面目にそれを行っていたと言うことになる。まさに最もブラックメタルバンドらしいブラックメタルバンドだ。ちなみに、ドラマーのHellhammerはサタニストではないと公言している。
 前置きが長くなってしまったが、そろそろ本作の内容について触れてみよう。本作での彼らの音楽性はまさにブラックメタルとしか言いようがないもので、尊敬と畏怖の念を込めてピュア・ブラックとでも呼ばせていただこうか。もっと詳しく語るならばシンフォニック・ブラックのように大仰で荘厳な展開はなく、メロディック・ブラックのように美と醜のコントラストを描くわけでもない。つまりは、小手先のキャッチーさをかなぐり捨て、究極的に聴き手を禍々しい雰囲気に浸らせることに重点を置いているのが特徴的である。ブラックメタルはアンダーグラウンドの中に真の魅力があるというEuronymous師匠の主張がこの上なく発揮された作品だと思う。
 ブラックメタラーからすると本作で注目すべきところは「全部」ということになるのだが、一番はやはり魔人ドラマーHellhammerのドラミングだろう。そのブラストの速さは他の追随を許さず、決して破綻しない安定したリズムはこのバンドの最も重要な骨格ではないだろうか。本人が語る通り、まさにドラムをやる為に生まれてきた天才だ。
 そして、多くのにわかブラックファンを苦しめるのがAttilaの強烈な呪詛系ボーカル。読んで字の如くまるで呪文を唱えているかのようにうめきまくり、ブラックメタルイコールキ○ガイという素晴らしいイメージをこの上なく体現することに成功している。メロディをなぞることなど決してありえない。
 また、楽曲の方は彼らの代表曲として名高いリーダー・トラック「Funeral Fog」を筆頭に粒揃い。全ての楽曲がピュア・ブラックと呼ぶに相応しい邪悪さを振りまいているのには脱帽するばかりだ。
 ただ、ここで注意して頂きたいのは、本作はブラックメタルの名盤とされているが、ブラックメタルを聴き始めたばかりの初心者全員には薦められない代物だということ。何故なら、前述したようにわかりやすいキャッチーさなどほとんどなく、リフやメロディが特別優れているわけではないので、メロブラやシンフォ・ブラックからブラックメタルに足を踏み入れた人には合わないかもしれないからだ。単なるメロディの良さだとかリフの良さなどを越えた破天荒な魔力を感じ取れる人だけが好きになれる作品だろう。むしろ、これを一聴して大好きという感情が湧いてくるという人は、よほど脳がいかれているか、ブラックメタルが一番合っている趣味の人なのかもしれない。
 音作りが古臭い、楽曲が単調という欠点もあるのだが、その全てが「これぞアングラなブラックメタル」の一言で許される恐ろしい作品。普通のメタルではもう物足りないという人は是非どうぞ。そう、悪には悪のカリスマが必要なのだ。

 2008.3.7

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A Grand Declaration of War (2000)

 Grand Declaration of War

 

[収録曲]
1. Grand Declaration Of War
2. In The Lies Where Upon You Lay
3. A Time To Die
4. View From Nihil
5. Il Principe
6. A Bloodsword And A Colder Sun
7. Crystalized Pain In Deconstruction
8. Completion To Science Of Agony
9. To Daimonion

Blasphemer / guitar
Necrobutcher / bass
Hellhammer / drums
Maniac / vocals



[個人的満足度]
  ★★★★★★★★★★  


 バンドの中心人物であったEuronimousが殺害されたことにより、MAYHEMは活動の停止を余儀なくされたが、94年にHellhammer はNecrobutcherとManiacに再び声をかけ、AURA NOIR の Blasphemer(g)(当時は Rune Later を名乗っていた)を加えてMAYHEMを再始動させる。
 97年にMISANTHROPY よりミニアルバム「WOLFS LAIR ABYSS」をリリース。ライブ活動も積極的に行ない、99年には2NDアルバムの製作に取り掛かる。
 しかし、レーベルの倒産という憂き目にあい、更にManiac の自殺未遂事件も重なり、アルバム制作は停止。新たに契約したAVANTGARDS MUSIC から99年にライブアルバム 「MEDIOLANUM CAPTA EST」のみを出して、SEASON OF MIST に移籍。2000年、ようやく2NDフルレンス「A GRAND DECLARATION OF WAR」をリリースすることになる。

 Hellhammer以外のメンバーを一新して製作された彼らの2枚目のスタジオ・フルレンスにあたるのが本作[A Grand Declaration of War]である。ブラックメタルの名盤と誉れ高い前作[De Mysteriis dom sathanas]の発表からおよそ6年ぶりというファンにとっては待ちに待った新作と言えよう。
 しかし、初期からのファンを喜ばしたのも束の間。実は本作はファンの間では問題作として取り上げられている。
 基本的な方向性は純粋なブラックメタル以外の何者でもないと思うのだが、サウンド・プロダクションを始めとしてモダン化が進行。前作の胡散臭すぎる禍々しい暗黒瘴気は減退。決してメジャーに魂を売ったというわけでもないのだが、エレクトロなアレンジによる違和感、ブラスト・ビートの減少、ヴォーカルはメロディをなぞるなど前作を神盤と仰ぐブラック・メタラーを置いてけぼりにする作風に仕上がっているのが特徴的だ。
 新任ボーカルのManiacは...うーん、まあ普通って感じ。あんまり押しやアクの強いタイプではないので、凶悪度と「こいつはやばい」と訴えかけるマジな迫力ではDeadやAttilaとは比べ物にならないだろう。
 何でも本作は戦争をテーマにしたコンセプト・アルバムらしいので、今までとは違う表現方法の多様化に走ったのかもしれない。前作はわりとストレートなブラックメタルと言えたが、本作ではプログレッシヴとまで言えるような難解さと複雑さを前面に押し出しており、ひねくれた部分が目立つ。「ブラックメタルはアンダーグラウンドたれ」と公言してはばからなかったEuronimous師匠の不在の影響が出まくった作品ではなかろうか。
 初めて聴いた時のインパクトの薄さは衝撃的だったが(悪い意味でのインパクトはあるけど)、今聴きなおしてもほんと、インパクト薄いな。個人的には駄作とまではいかないだろうし、この方向性もありだと思う。だが、問題なのがMAYHEMというバンドがあえてこの方向性をやる必要がどうしても感じられないこと。つまりは、聴き手に方向性転換を力ずくで納得させるロックとしての説得力が備わっていないのである。ありだとは思うが、楽曲は耳から耳へスルスル流れていってしまうフックの無さだし、その場の雰囲気を変えるほどの魔力はやっぱり感じない。悪くはないと思いつつも、アルバムが進みにつれ、悪い意味での痛々しさばかりが加速していく様はブラックメタルの神にしては情けないんじゃないの?と思ったりもしてしまう。
 まあ前述したとおり駄作ではないが、彼の世でEuronimous師匠が泣いている姿が容易に想像できる中途半端で突きぬけに欠いたこじんまりとした作品。熱心なファンかネタ目的以外での購入はあんまり勧められない。何度も言うが決して悪くは無い作品なんだよ。ただ、マジで誰にお薦めしたらいいのかわからん。

 2008.3.8

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Chimera (2004)

 Chimera

 

[収録曲]
1. Whore
2. Dark Night Of The Soul
3. Rape Humanity With Pride
4. My Death
5. You Must Fall
6. Slaughter Of Dreams
7. Impious Devious Leper Lord
8. Chimera

Blasphemer / guitar
Necrobutcher / bass
Hellhammer / drums
Maniac / vocals



[個人的満足度]
  ★★★★★★★★★★  


 初期のファンを失意と絶望のドン底に叩き落した前作から4年振りにリリースされた3RDフルレンス。まず一聴して原点回帰なムードが漂ってくるのがよくわかる。これぞHellhammer大先生の本領発揮と言わんばかりに超高速ブラスト・ビートが多用され、楽曲はテンポと勢いを増し、ファスト・ブラックに傾倒。プログレッシヴとエクスペリメンタルの迷路に迷い込んだ前作と比べるとストレートな暗黒性が強調され、あくまでもブラックメタルらしいブラックメタルをプレイすることに意識が向いているのがよくわかる。
 また、彼らの特徴の一つでもあった(というか北欧ブラックの特徴)悪寒誘うリフメロを取り戻しつつあり、ノルウェーの吹雪のような冷たさをまといつつも、テンションを上昇しながら襲い掛かる様はブルータルであると言ってもいいほどで、Hellhammer大先生の流星ブラストも相まってデスメタル愛好家にもプッシュできる作品かもしれない。
 さらに名盤[DE MYSTERIIS DOM SATHANAS]の欠点であった「古臭い」、「曲が単調」と言った欠点を前作の失敗を踏まえての現代性と取り戻した初期の禍々しさと上手く噛み合わせることで、下手なB級との差を明確にさせる孤高の域にまでその品格をのし上げている。その手腕に悪のカリスマたるMAYHEMというバンドの底力を感じたような気がした。
 一方、前作では無個性とまでは言わないものの、押しの弱さを感じたManiacのボーカルも、ムンムンとした妖気を発する演奏陣に合わせたのか、殺気を孕んで聴き手の耳元を襲撃してくるもんだから見直した。まあ圧倒的なカリスマ性ではDeadやAttilaに劣るというのは事実ではあると思うが、かなり頑張っていると思う(歌い方にAttilaの影響も若干感じるし)。
 このように前作で離れてしまったファンも十分に楽しめる作品だと思うのだが、最大の難点は相変わらず雰囲気モノであるということ。1STも雰囲気モノなのだが、あれは究極的なまでにムードを塗り替える力があったから名盤なわけでこちらはコアなブラックメタラーには小奇麗過ぎるんじゃないかと思える。なにせ今の時代、相当にヤバイ雰囲気モノ系ブラックがどんどん出てきているので、ぶっちゃけその雰囲気だけとってみればそれらに劣るんじゃないかと思えてしまうのだ。
 ちなみにアルバムのテーマが「究極の人間不信」とのことだが、そこまで心の闇が濃い感じはしないし、サウンド・プロダクションも良好なので彼らの入門用にお薦めできそうだ。
 手ごたえは十分に感じる内容なのだが、どことなく突き抜けに欠けて地味な気がするし、何だか名盤になり損ねた良盤といったイメージが付きまとう作品である。

 2008.3.10

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Ordo Ad Chao (2007)

 Ordo Ad Chao

 

[収録曲]
1. A Wise Birthgiver
2. Wall Of Water
3. Great Work Of Ages
4. Deconsecrate
5. Illuminate Eliminate
6. Psychic Horns
7. Key To The Storms
8. Anti

Blasphemer / guitar
Necrobutcher / bass
Hellhammer / drums
Attila / vocals



[個人的満足度]
  ★★★★★★★★★★  


 なんと名盤[De Mysteriis Dom Sathanas]でボーカルの座に君臨し、一般メタラーをドン引きさせ、コアなブラックメタラーからは神のように崇められているAttilaが復帰しての新作がついにお出ましだ!しかも、いつの間にか国内デビューしてるっていうのがすげえ。こうなると過去の作品もそろそろ国内盤として再発されるのかもね。
 さて、それはともかく本作はデヴィル・ヴォーカリストAttilaが復帰してからの第一弾というわけだが、あれれ、これ。前作より音質悪くねえ!?メジャー感たっぷりだった前々作、前作と比べると若干音がこもり気味で、決してチープというわけではないのだが、アングラ臭ぷんぷん。これって間違いなくわざとなんだろうなあ。さすがだ。
 前作がモダン過ぎたというバンドの反省があったのかどうかはわからないが、ブラックメタル特有の怪しさと胡散臭さがそこらじゅうに蔓延しており、すっきりとした聴きやすさは減退。デスメタル臭も感じさせたブルータル度も内面に引っ込み、よりピュアなブラックメタルを目指したという印象が見受けられる。
 また、楽曲はより雰囲気モノに傾倒しており、テンポと勢いは下降気味。スラッジィかつドゥーミーな味わいを増しつつ、地べたをもさーっと這いずり回る様はまことに気色悪し。厳密に言えば違うかもしれないが、1STの路線をもっとヘレティックに追い求めた作風と言えるのかもしれない。
 このようにこのバンドならではのブラックメタルに対してのこだわりが明確に浮き出た力作ではあると思うのだが、あー、やっぱり私は基本的には雰囲気モノは苦手なんだなーと再確認。基本スロー〜ミドル・テンポで繰り返され、頭と耳に残ることを強烈に拒む楽曲は正直退屈さと冗長さを感じてやまないし、ロックとしての痛快な娯楽性と即効性が主食な個人的趣向を抜きにしてもそんなにすげーアルバムか?と思ってしまう突き抜けの無さを感じてしまうのだが...。
 それらに加えてAttilaのヴォーカルは洗練されてきていて毒ッ気が少々足りない気もするし、この作風ではHellhammer大先生の無呼吸連打ブラストがあんまり堪能できないっていうのも個人的にはマイナス・ポイント。決して悪い作品ではないのだが、なんか私のツボをことごとく外しているようで素直に楽しめないのだ。
 まあ1STそのもののスタイルを期待すると肩透かしを食らうと思うので、初期限定のファンは視聴してから購入を検討してみるといいだろう。

 2008.3.11

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ライヴ・アルバム

Live in Leipzig (1993)

 Live in Leipzig

 

[収録曲]
1. Deathcrush
2. Necrolust
3. Funeral Fog
4. Freezing Moon
5. Carnage
6. Buried By Time And Dust
7. Pagan Fears
8. Chainsaw Gutsfuck
9. Pure Fucking Armageddon
10. Carnage
11. Freezing Moon

Euronymous / guitar
Necrobutcher / bass
Hellhammer / drums
Dead / vocals



[個人的満足度]
  ★★★★★★★★★★  


 ノルウェーが生んだ悪のカリスマ・バンドMAYHEMの歴代ヴォーカリストの中で神格化されているDead。彼はENTOMBEDのメンバーも在籍していたスウェーデンのデスメタルバンドMorbidの元メンバーで、ライヴでの過激なパフォーマンスに加え、コープスペイントと呼ばれるブラックメタル特有の死化粧のパイオニアとしてその名を馳せていたようだ。その彼がヴォーカルをとっている唯一のオフィシャル音源が94年にリリースされたこのライヴ・アルバムである。ちなみに収録されている音源は90年11月26日、ドイツのライプツィヒで行われたライヴから。オーディエンスの控えめな反応が逆に怖い。
 音質が悪いと言う前評判を聞いていたが、なんてことはない。ブラックメタルとしては音質は良い方だ。はっきり言って本作を聴いて音質が悪いなんて言っている人はそもそもブラックメタルに向いていない。大人しくメジャー品を聴いている方が賢明だ。いや、それが悪いと言っているわけではなく、ブラックメタルはそういう音楽だと言うことを理解して頂きたい。
 さて、猟銃で頭を打ち抜き自殺することによって、今の商業化しつつあるアンダーグラウンドメタル界の状況に喝を入れた(バンドの中心人物であるEuronymousいわく)という伝説の歌い手Deadの歌唱だが、確かにヤヴぁい。ブラックメタルの名盤として名高い1STアルバム[De mysteriis Dom Sathanas]でヴォーカルをとるAttilaは呪詛系として名高いが、この人はダミ声でがなり、うめくタイプ。しかも、決してテンションが高い方ではないのが逆に恐ろしい。冷めているのにがなることの難しさと恐ろしさが貴方にわかるだろうか。
 選曲はファンの間ではベストと誉れ高く、チープなスラッシュ・メタル時代だったデビュー・ミニや1STに収録されている楽曲も含む。特にデビュー・ミニの楽曲はブラックメタルらしく生まれ変わっているとすこぶる評判だ。まあブラックメタル否定派にはどっちも変わらんのだろうけど。
 収録されている楽曲はそのどれもが馬鹿馬鹿しいほどに魔力を孕んでいるが、個人的には「Funeral Fog」を上回る名曲だと思っている「Pagan Fears」がえらい猥雑でかっこよかった。
 そんなわけでブラックメタラーにとっては最強(最凶)に充実した内容だし、ライヴ盤ではあるが、下手すれば1ST以外のフルレンスよりも真っ先にゲットすべき作品なのかもしれない。凶悪度では1STを上回るという世間の評価もあながち間違ってはいないのだ。

 2008.3.6

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